化学・紙パルプ・セメント等の排出削減が困難な産業の事業者向けに、自家発電設備等の燃料転換や製造プロセス転換の設備投資を支援する補助金の二次公募です。補助率は原則1/3以内(構造転換は1/2以内)です。受付は2026年10月22日から11月27日正午までで、Jグランツで電子申請します。
概要(ひと目でわかる要点)
| 制度名 | 令和8年度排出削減が困難な産業におけるエネルギー・製造プロセス転換支援事業 事業II(化学・紙パルプ・セメント等)二次公募 |
|---|---|
| 実施機関 | 排出削減が困難な産業におけるエネルギー・製造プロセス転換支援事業事務局(経済産業省) |
| 対象地域 | 全国 |
| 補助率 | 1/3以内(構造転換は1/2以内) |
| 申請受付開始 | 2026年10月22日(木) |
| 申請締切 | 2026年11月27日(金) 12:00 |
| 申請方法 | 補助金申請システム「Jグランツ」による電子申請のみ(郵送・持参・FAX・メールは不可) |
| 事業実施期間 | 交付決定後から令和13年(2031年)1月31日まで(建物・設備の取得等が完了し経費が全て支払われた時点で終了) |
化学・紙パルプ・セメント等の排出削減が困難な産業で、自家発電設備等の燃料転換や製造プロセス転換に必要な設備投資費用の一部を補助します。現実的なカーボンニュートラルに向けた取組を通じて、産業競争力強化を支援することが目的です。
対象となる事業者
- 日本国内で登記された法人で、国内に事業実施場所を有すること
- 2030年度のScope1・Scope2排出削減目標を設定し、第三者検証を経た排出実績と進捗を毎年報告・公表すること(GXリーグ参加で代替可)。2025年度以前に間接補助事業を実施しない場合、この取組(A)は不要
- 2026年度以降のGXフューチャー・リーグに参加し、排出量実績を報告すること
- 目標未達の場合はJクレジット・JCM等の適格クレジットを調達するか、未達理由を報告・公表すること
- 2022年度CO2排出量(温暖化対策法の算定報告制度)が20万t未満の企業、または中小企業基本法上の中小企業は、その他の温室効果ガス排出削減の取組の提出で代えられる
- 事業を的確に遂行する組織・人員、経営基盤、資金の管理能力を有すること
- 経済産業省の補助金交付等停止措置・指名停止措置を受けておらず、暴力団排除要件に該当しないこと
- 燃料転換の設備要件:自家発電設備等で事業完了後の発電能力(換算含む)が3万kW以上など。工業炉は補助金交付申請額が40億円以上
- 製造プロセス転換の要件:化石由来原料不使用の化学製品で、ケミカルリサイクル・CCUは生産能力4万トン/年以上、バイオケミカルは3万トン/年以上。ライフサイクル全体のCO2排出削減率50%以上
- 単独で事業が成立しない場合などは共同申請も可能(リース会社・エネルギーサービス提供会社の利用を含む)
こんな事業者におすすめ
- 石炭等を燃料とする発電能力3万kW以上の自家発電設備を、バイオマスや低炭素水素、LNG等へ転換したい化学・紙パルプ・セメント等の事業者
- 廃プラスチックのケミカルリサイクルやバイオケミカル、CCUによる化石由来原料不使用の化学製品の商用生産を目指す事業者
- ナフサクラッカーの生産能力適正化や工場の立地適正化など、経営効率化と脱炭素投資を併せて進めたい事業者
補助率・補助上限額
補助率は1/3以内(構造転換は1/2以内)、公募要領に一律の補助上限額の定めはなく、補助金額は交付決定額が上限です(発電設備等の補助対象経費には別途の上限の考え方があります)。
申請枠ごとの補助率・上限額
| 申請枠 | 補助率 | 上限額 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 燃料転換・製造プロセス転換 | 1/3以内 | — | 審査の結果、申請した補助率を下回る可能性があります。補助金額は交付決定額が上限です。 |
| 構造転換(燃料転換または製造プロセス転換) | 1/2以内 | — | 燃料転換または製造プロセス転換の要件に加え、構造転換の要件も満たす場合の区分です。 |
補助対象となる経費
- 設計費(機械装置・建物・システム等の設計費)
- 建物等取得費(燃料・原料の貯蔵用建物等の新設、建て替え、リフォーム等)
- 設備費(機械装置の購入・製造・改修、附帯工事費等)
- システム整備費(設備稼働に直接必要なソフトウエアの購入・作成)
対象外になりやすい経費
- 土地やオフィス用建物の取得費・整備費、外構工事費
- 環境アセスメント等の調査費用、既存建物・設備の撤去費、既存設備の移設費
- 通常の設備更新経費(燃料転換・製造プロセス転換を伴わなくても必要なもの)
- 間接補助事業者の人件費(設計費・設備費に関連する労務費を除く)
- 汎用性があり目的外使用になり得るもの(コンピュータ、プリンタ等)の購入費
- 消費税、公租公課、振込手数料、各種保険料、借入金の利息
- 燃料用途向けのみの化学品を製造する設備(製造プロセス転換)
スケジュールと申請方法
採択審査は2026年11月30日以降、面接審査は令和9年(2027年)1月中旬頃、採択先公表は同年1月下旬頃、交付申請は原則同年2月中です。事前着手届出の受付期間も2026年10月22日〜11月27日正午です。
- GビズIDプライムを取得し、事務局ウェブサイトまたはJグランツから公募要領・様式をダウンロードする
- 必要に応じて事前着手届出をJグランツで行う(2026年11月27日正午まで)
- 指定様式で応募申請書類を作成し、Jグランツで2026年11月27日正午までに提出する
- 書面審査と第三者委員会による面接審査(令和9年1月中旬頃)を経て、採択先が公表される(令和9年1月下旬頃)
- 採択後、令和9年2月中に交付申請を行い、交付決定を受ける
- 交付決定後に事業を実施し、令和13年1月31日までに終了して実績報告・確定検査を受け、補助金が精算払で支払われる
GビズIDプライムが必要です。発行に時間がかかるため、早めに取得しておきましょう。
審査で見られるポイント
- 基本的事項:事業目的への合致、補助対象事業の要件、適格性、経営層のコミット、財務の健全性(いずれも必須)
- 事業の実現性:実施内容とスケジュールの妥当性、公正な移行への取組、リスク対応(いずれも必須)
- 産業競争力強化:グリーン市場獲得に向けた事業戦略、燃料・原料の調達計画、デジタル技術の活用、情報管理体制、経済波及効果など
- 排出削減への貢献:CO2排出削減効果(必須)、GX率先実行宣言(加点)
- 民間のみでは投資判断が困難なこと:経済的基準(必須)、技術的基準、企業規模に対する総事業費の大きさ(加点)
- 人材確保:人材確保の取組(必須)、賃上げ計画の表明(加点)、ワーク・ライフ・バランス等の推進(加点)
公募要領の審査項目から見た、準備のポイント
- 面接審査には代表権を有する者の参加が必須で、経営層のコミットも必須項目です。経営戦略の中核に位置づけ、組織体制を示せるよう準備しましょう。
- 低炭素価値をオフテイカー(最終製品メーカー等)に訴求する取組が必須項目です。削減効果の算定・表示や具体的な交渉計画を示すことが重要です。
- 補助がなければIRRや投資回収期間が投資判断水準に達しないことを示す経済的基準が必須項目です。数値で説明できるようにしましょう。
- 賃上げ計画の表明(大企業3%以上、中小企業等1.5%以上)は加点項目です。応募時に表明予定とした場合、交付決定までに従業員へ表明する必要があります。
- 財務の健全性が必須項目で、財務状況の補足書類の提出が推奨されています。経営基盤の健全性が重視されます。
申請前の注意点
- 交付決定前の発注・契約は原則補助対象外です。発注先への内示も発注行為とみなされます。
- 今回の応募申請に要する経費は補助対象になりません。
- 発注は原則として一般競争とし、困難な場合は3者見積による価格競争が必要です。合理的な理由なく実施しないと補助対象外になります。
- 受付期間後の提出(修正・差替・追加を含む)は一切受け付けません。
- 事務局は応募申請の状況や審査経過に関する問合せには応じません。
- 令和6〜8年度の同事業II で採択された間接補助事業と同一と判断される場合は応募できません。
- 取得財産には処分制限があり、処分には事前承認が必要で、補助金の返還が生じる場合があります。
- CO2削減率などが目標未達の場合、補助金返還を求められる可能性があります。
ほじょカツのひとこと
石炭等を使う大規模な自家発電設備(3万kW以上)の燃料転換や、化学製品の製造プロセス転換など、化学・紙パルプ・セメント等の大型投資を計画している事業者向けの制度です。
締切は11月27日(金)正午で、申請はJグランツのみ、受付期間後の修正・差し替えも受け付けられません。GビズIDプライムの確認と、交付決定前に発注したい場合の事前着手届出(同じく11月27日正午まで)の要否を先に決めておきましょう。
面接審査には代表権を有する方の参加が必須です。経営層の日程と、補助がなければ投資判断の水準に届かないことを示す数値(経済的基準)の準備から始めるのがおすすめです。
よくある質問
Q. 交付決定前に発注した設備は補助対象になりますか。
A. 原則として対象外です。ただし事前着手届出が受理された場合は、受理通知に記載の事前着手開始日として認める日以降の経費が対象になることがあります。受理は採択や交付決定を約束するものではありません。
Q. 申請はどのように行いますか。
A. 補助金申請システム「Jグランツ」での電子申請のみです。郵送、持参、FAX、メールでの提出は受け付けません。GビズIDプライムの取得が必要です。
Q. 共同申請はできますか。
A. 単独では事業が成立しない場合などに認められます。幹事会社を決め、リース会社やエネルギーサービス提供会社を利用する場合も共同申請となります。
Q. 補助金はいつ支払われますか。
A. 原則として、事業終了後に実績報告書を提出し、額の確定を受けた後の精算払です。特に必要と認められる場合に限り概算払があります。ただし、概算払を前提とした投資計画は認められません。
問い合わせ先
HtA補助金事務局問合せフォーム https://business.form-mailer.jp/lp/267e04a7349191
出典・公式情報
- jグランツ掲載ページ:https://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0WfQ000003mzyjUAA
- 公式サイト:https://hta2026.jp/
- 資料:公募要領 事業Ⅱ【二次公募】(hta2026_2_2_kobo_yoryo.pdf)(補助対象者は「2.1.」、補助率は「3.4. 補助率及び補助金額」、スケジュールは「5.1.」「5.2.」、事前着手は「5.6.」)
※本記事は 2026年10月22日(木) 時点の公募要領・公式情報をもとに、ほじょカツ編集部が要点をまとめたものです。要件や締切は変更されることがあります。申請前に必ず公式の最新情報をご確認ください。