新築の業務用建築物でZEBを実現しつつ、ライフサイクルカーボンの算定・削減と低炭素型建材(鉄・コンクリート・木材)の導入に取り組む事業者向けの補助金です。補助上限はZEB化部分と低炭素型建材部分の合計で5億円で、ZEBのランクや用途により補助率が21〜55%となります。三次公募の受付は2026年10月16日から12月15日17時までです。
概要(ひと目でわかる要点)
| 制度名 | 令和8年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(建築物等のZEB化・省CO2化普及加速事業)低炭素型建材活用新築ZEB支援事業(三次公募) |
|---|---|
| 実施機関 | 一般社団法人静岡県環境資源協会(SERA)省CO2促進事業支援センター |
| 対象地域 | 全国 |
| 補助率 | ZEB化部分:事務所等は21〜30%、事務所等以外は30〜55%(ZEBランクにより異なる)。低炭素型建材部分:かかり増し経費の1/2(GX率先実行宣言で2/3) |
| 補助上限額 | 5億円(ZEB化部分と低炭素型建材活用部分の合計) |
| 申請受付開始 | 2026年10月16日(金) |
| 申請締切 | 2026年12月15日(火) 17:00 |
| 申請方法 | jGrants電子申請システムで申請(交付申請書・実施計画書・経費内訳・ライフサイクルカーボン算定)。あわせて申請書類一式の電子データを入れた電子媒体(CD-R・DVD-R等)をSERAへ郵送 |
| 事業実施期間 | 最大3年度以内(令和8年度〜令和10年度)の国庫債務負担行為事業。今回の三次公募は複数年度事業を前提とし、令和8年度分の補助対象経費はなし |
ZEB(年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロの建物)を前提に、建築物のライフサイクル全体で発生する温室効果ガス(ライフサイクルカーボン)の算定・削減に取り組む新築業務用建築物の普及拡大と、低炭素型建材(鉄・コンクリート・木材)の活用促進を目的としています。
対象となる事業者
- 国内の業務用建築物等に対象設備を導入する建築主等で、日本国内で事業を営む者(民間企業、個人事業主、独立行政法人、地方独立行政法人、国立大学法人・公立大学法人・学校法人、社会福祉法人、医療法人、一般社団・財団法人、公益社団・財団法人など)
- 地方公共団体(都道府県、指定都市、中核市、施行時特例市、特別区を除く。ただし建物用途が病院等の場合は対象)
- 新築の業務用建築物で、実施設計が申請時点で完了していること(設計費は補助対象外)
- 地方公共団体等(上記除外団体を除く)の所有建築物は面積要件なし。それ以外の者が所有する建築物は、用途が事務所等以外の場合、延べ面積10,000m2未満に限る
- 対象用途は事務所等、ホテル等、病院等、物品販売業を営む店舗等、学校等、飲食店等、集会所等(図書館等・体育館等・映画館等を含む)。住宅、工場、倉庫などは対象外
- 外皮性能が誘導基準に適合し、再エネを除く設計一次エネルギー消費量を基準から50%以上削減すること(地方公共団体等が所有する延べ面積10,000m2以上の建築物(事務所等を除く)は、30%以上(学校等は40%以上)削減かつ未評価技術を1項目以上導入する方法も可。要領p.3 ②)
- ZEBのいずれかのランク(『ZEB』、Nearly ZEB、ZEB Ready、ZEB Oriented)を満たし、BELS認証を取得すること
- ZEBリーディング・オーナーへの登録が必須(三次公募では令和9年度の事業完了時までに登録申請)。あわせてZEBプランナーの関与が必須で、ZEBプランナーは交付決定時までに登録が完了していること
- 再エネ発電設備の設置が要件(FITによる売電は不可)
- ライフサイクルカーボンを算定し、削減量を定量的に示す取組を2個以上(低炭素型建材活用を含む)実施すること
- 資料1-2に示す低炭素型建材(鉄・コンクリート・木材)を1つ以上導入すること
- 事業完了後の建築物が1981年改正の耐震基準を満たし、水害・土砂災害に対するレジリエンス要件を満たすこと
- 国から他の補助金を受けていない設備であること。国土交通省「建築GX・DX推進事業」のライフサイクルカーボン算定に係る補助金との併用は不可
- 共同所有・区分所有・設備所有者と建物所有者が異なる場合・リースやESCO利用の場合は、それぞれ共同申請などの定めあり
こんな事業者におすすめ
- ZEB認証を取得する新築の自社オフィスや店舗、ホテル、医院などを計画している事業者
- 鉄骨造の代わりに木造化やGXスチール、低炭素コンクリートの採用を検討している建築主
- 施設の新築でライフサイクルカーボンの削減に先導的に取り組みたい学校法人・医療法人・社会福祉法人・地方公共団体
- 太陽光発電と蓄電池を備えた、災害時にも機能維持できる施設を整備したい事業者
補助率・補助上限額
補助率はZEB化部分:事務所等は21〜30%、事務所等以外は30〜55%(ZEBランクにより異なる)。低炭素型建材部分:かかり増し経費の1/2(GX率先実行宣言で2/3)、補助上限額は5億円(ZEB化部分と低炭素型建材活用部分の合計)です。
申請枠ごとの補助率・上限額
| 申請枠 | 補助率 | 上限額 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ZEB化に関する部分:事務所等(『ZEB』) | 30% | 5億円 | ZEB化部分と低炭素型建材活用部分の合計で上限5億円。CO2削減コストの上限あり(『ZEB』は120,000円/t-CO2)。 |
| ZEB化に関する部分:事務所等(Nearly ZEB) | 25% | 5億円 | CO2削減コスト上限は100,000円/t-CO2。 |
| ZEB化に関する部分:事務所等(ZEB Ready) | 21% | 5億円 | CO2削減コスト上限は50,000円/t-CO2。事務所等のZEB Orientedは対象外。 |
| ZEB化に関する部分:事務所等以外(『ZEB』) | 55% | 5億円 | ホテル等、病院等、店舗等、学校等、飲食店等、集会所等が対象。CO2削減コスト上限は120,000円/t-CO2。 |
| ZEB化に関する部分:事務所等以外(Nearly ZEB) | 38% | 5億円 | CO2削減コスト上限は100,000円/t-CO2。 |
| ZEB化に関する部分:事務所等以外(ZEB Ready) | 30% | 5億円 | CO2削減コスト上限は50,000円/t-CO2。 |
| ZEB化に関する部分:事務所等以外(ZEB Oriented) | 30% | 5億円 | 延べ面積10,000㎡以上で地方公共団体等が所有する建築物に限る。CO2削減コスト上限は50,000円/t-CO2。ZEB Ready・ZEB Orientedは、レジリエンス加点要件を満たす場合のみ再エネ発電設備・蓄電システムが補助対象。 |
| 低炭素型建材活用に関する部分(鉄・コンクリート・木材) | かかり増し経費の1/2(GX率先実行宣言をする場合は2/3) | 5億円 | CO2削減コストが30,000円/t-CO2(アップフロントカーボン削減量ベース)を超える場合は、その単価による額が上限。ZEB化部分との合計で上限5億円。内装・造作材など躯体以外は対象外。 |
補助対象となる経費
- 設備費(断熱材・高性能窓などの外皮関連、高効率熱源・空調・換気・給湯機器、再エネ発電設備、蓄電システム、高効率変圧器、BEMS、WEBプログラム未評価技術の設備など)
- 工事費(補助対象設備の導入に不可欠な搬入・据付、配管、ダクト、電気配線、断熱、基礎、試運転調整、仮設などの工事)
- 事務費(事業を行うために直接必要な事務に要する経費。工事費・設備費・業務費の額に応じた率の範囲内)
- 省エネルギー性能表示(BELS認証)の申請費用と評価結果の表示費用(プレート代等。交付決定日以降に取得したもの)
- 低炭素型建材の材料費・工事費のうち、低炭素型でない従来品と比較したかかり増し経費(躯体に使用するものに限る)
対象外になりやすい経費
- 建築工事、躯体工事、省エネルギーに直接寄与しない設備工事(サイネージ、汎用ソフト、事務用什器、過剰設備、将来拡張用設備など)
- 照明機器、防災・防犯設備、昇降機設備
- 内装・家具類、外装仕上げ材、シャッター・雨戸、遮熱フィルム
- FITによる売電を行う再エネ発電設備
- 設計費、現場調査費、諸経費、各種申請・届出経費
- 既存機器等の撤去・移設・処分費、冷媒ガス処理費
- 運用に係る経費(電力、通信費、ソフトウェアライセンス維持費等)、オプション機器、保証費
- 令和9年度以降に導入する太陽光パネル(モジュール・アレイ)の設備費は原則対象外
- 補助事業期間外(交付決定前・事業完了後)の支出、本補助金の申請手続きに係る経費
- 事務所等のZEB Orientedは対象外
スケジュールと申請方法
jGrantsでの提出は12月15日17時必着。電子媒体(CD-R等)の郵送提出は12月17日(木)17時必着。交付決定は3月上旬頃の予定(スケジュールは一例で変更の可能性あり)。初年度(令和8年度)の年度終了実績報告は令和9年4月10日までに提出。
- SERAのホームページで公募要領・様式を入手し、GビズID(gBizIDプライムアカウント)を取得する
- 交付申請書・実施計画書・経費内訳・ライフサイクルカーボン算定などを作成し、jGrantsで12月15日17時までに申請する
- 申請書類一式の電子データを入れた電子媒体を簡易書留等で郵送する(12月17日17時必着)
- 審査委員会による審査・選考(必要に応じてヒアリング)を受け、採択通知後に交付決定通知を受ける
- 交付決定日以降に契約・発注・着工して事業を実施し、年度ごとに事業完了と概算払請求を行う
- 完了実績報告書を提出し、確定検査を経て交付額の確定通知を受けたのち、精算払請求で補助金を受け取る
GビズIDプライムが必要です。発行に時間がかかるため、早めに取得しておきましょう。
審査で見られるポイント
- 補助事業の目的に照らした事業内容の妥当性
- 事業のモデル性、他事業への波及効果
- 事業実施体制の妥当性(施工管理体制、設備導入後の管理運営体制等)
- 建築物の環境性能(ZEBランク、省エネ性能、外皮性能等)
- 建築物のCO2削減性能(削減量、費用対効果等)、特にLCCO2算定の方法とLCCO2削減に資する取組
- 資金計画の妥当性と事業の計画性(全補助対象経費に占める初年度事業費の割合)、財政的基盤
- 加点:激甚災害・能登半島地震の被災建築物の建て替え・改修
- 加点:再エネ促進区域内・建築物再エネ利用促進区域内への位置づけ
- 加点:エコスクール・プラス認定の学校、リーディングテナント行動方針の賛同者
- 加点:レジリエンス機能の要件を満たす建築物整備、電力調達も勘案した再エネ100%
- 加点:自営線を介した余剰電力の融通、建材一体型太陽電池の導入
- 加点:LD-Tech認証製品や自然冷媒空調設備の導入
- 加点:延べ面積当たり0.01m3/m2以上の木材使用
- 加点:2050年以前のカーボンニュートラル目標の設定、デコ活への参画、エコ・ファースト認定
- 加点:ライフサイクルカーボン算定での固有値の使用個数、要件を超える定量的な削減取組の個数
- 優先採択枠:建築物木材利用促進協定に基づき木材を用いるZEB、CLT等の新たな木質部材を用いるZEB
公募要領から読む:審査に向けて押さえたいこと
- 審査基準案には「LCCO2算定の方法、LCCO2削減に資する取組等」が特に重視される旨があります。固有値(EPD等)の使用数や、要件の2個を超える定量的な削減取組の数は加点対象です。算定根拠を丁寧に整えましょう。
- 資金計画の妥当性や事業の計画性(全補助対象経費に占める初年度事業費の割合)、財政的基盤が審査項目です。建築工事を含む全体の資金調達計画を申請時に示してください。
- レジリエンス機能(防災拠点であることを示す書面と、再エネ発電設備・据置型蓄電池の導入)、再エネ100%、木材使用量0.01m3/m2以上、カーボンニュートラル目標の設定などは加点項目です。自社の計画で満たせる項目を洗い出して計画に反映しましょう。
- 低炭素型建材は、かかり増し経費の比較見積と削減量のエビデンスが必須です。導入する場合としない場合を同条件で比較した根拠資料を早めに準備してください。
申請前の注意点
- 交付決定前の契約・発注・着工による経費は原則補助対象外です。採択通知と交付決定通知は別なので注意してください。
- 予算の範囲内での選定となるため、審査の結果、補助金額の減額や不採択となる場合があります。同一事業者の採択が3件程度以内となる場合があります。
- 国庫債務負担行為の年度ごとの事業予算額(令和8年:約5.7億円、令和9年:約14.2億円、令和10年:約8.5億円)の範囲内で採択・交付決定されます。
- BELS審査で一次エネルギー削減率が交付決定時より5ポイント以上下回った場合や、ZEBランクが下がった場合は、事前にSERAへ相談してください。相談なく事業完了時に判明すると交付取消しとなる場合があります。
- 低炭素型建材によるCO2削減量が採択時より下がった場合も、事前相談がないと交付取消しや補助金返還の対象となります。
- 補助事業完了の翌年度から5年間、事業報告書の提出とZEBプラットフォームへの報告が必要です。設計情報やエネルギーデータは広く公表されます。
- 取得財産を処分する場合は事前にSERAの承認が必要です。収益が一定を超えた場合は収益納付が必要になることがあります。
- 導入する設備は新品で、申請者に所有権があるものに限ります。調達先は入札や3者以上の見積りで決定します。
- 太陽光パネルを補助対象とする場合は、原則として令和8年度の事業期間内に納入(検収・支払を含む)まで完了させます。
- 不正行為があった場合は交付決定の取消し、返還、申請者名の公表の対象となります。
よくある質問
Q. 交付決定前に契約・発注してもよいですか。
A. 交付決定前の契約・発注・着工による経費は、交付規程等に定める場合を除き補助対象外です。契約・着工は交付決定日以降に行います。なお「採択通知」と「交付決定通知」は別なのでご注意ください。公募開始後から交付決定日前に行った3者以上の見積り依頼や入札結果は認められますが、採択されるとは限りません。
Q. 今回の三次公募で通常と異なる点は何ですか。
A. 今回の公募に限り複数年度事業を前提とします。BELS認証は令和9年度の事業期間中に取得し、ZEBリーディング・オーナーへの登録申請は令和9年度の事業完了時までに行います。令和8年度分の経費内訳書・実施計画書の提出は不要です。ただし、令和8年度の年度終了実績報告は令和9年4月10日までに提出が必要です。
Q. 申請はどのように行いますか。
A. 原則としてjGrants電子申請システムで申請します。事前にGビズID(gBizIDプライムアカウント)の取得が必要です。あわせて、申請書類一式の電子データを入れた電子媒体(CD-R等)を簡易書留等でSERAへ郵送します。
Q. 他の補助金との併用はできますか。
A. 国の他の補助金との併用はできません。国土交通省「建築GX・DX推進事業」のライフサイクルカーボン算定に係る補助金との併用も不可です。地方公共団体の補助金等との併用は可能で、その場合は「寄付金その他の収入」欄に記載します(国の補助金等を原資としないことが原則)。森林環境譲与税を活用した木材利用との併用申請は可能です。
Q. 事務所の新築ではZEB Orientedは対象になりますか。
A. 事務所等ではZEB Orientedは対象外です。事務所等以外の用途では補助率30%で対象となりますが、延べ面積10,000㎡以上で地方公共団体等が所有する建築物に限られます。
ほじょカツのひとこと
申請時点で実施設計が終わっている新築の業務用建築物で、ZEB化と躯体への低炭素型建材(鉄・コンクリート・木材)の導入を同時に計画している建築主に向く制度です。つまずきやすいのは、低炭素型建材の「導入する場合としない場合」を同じ条件で比べた見積とCO2削減量の根拠資料、そしてライフサイクルカーボンの算定資料で、設計者・施工者と早めにそろえておく必要があります。並行してGビズIDプライムを取得し、jGrantsでの申請(12月15日17時必着)と電子媒体の郵送(12月17日17時必着)の両方を締切から逆算して準備しましょう。太陽光パネルは令和9年度以降の導入分の設備費が原則対象外となるため、計画に含める場合は扱いをSERAに確認しておくと安心です。
問い合わせ先
一般社団法人静岡県環境資源協会 省CO2促進事業支援センター E-mail: zeb@siz-kankyou.or.jp / TEL: 054-266-4161 / FAX: 054-266-4162(問い合わせは極力電子メールで。件名に法人名と申請予定の事業名を記入)
出典・公式情報
- jグランツ掲載ページ:https://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0WfQ000003lu8IUAQ
- 公式サイト:https://siz-kankyou.com/2026co2/teitansokenzai3/
- 公募要領:r8teitanso3_yoryo.pdf(上限額・補助率は要領p.12〜14、公募期間はp.53)
- 資料:r8zeblo_kobo.pdf
※本記事は 2026年10月26日(月) 時点の公募要領・公式情報をもとに、ほじょカツ編集部が要点をまとめたものです。要件や締切は変更されることがあります。申請前に必ず公式の最新情報をご確認ください。