地域医療に特別な役割を担う都内の医療機関が、医師の労働時間短縮に向けてチーム医療の推進やICT等による業務改革に取り組む際の経費を補助する東京都の事業です。補助率は10/10(資産形成経費は9/10)で、補助額は病床数をもとに算定します。jグランツの受付は2027年3月31日23:59までです。対象は実施要綱の要件を満たす医療機関に限られ、申請手続は対象施設宛てにメールで連絡するとされています。
概要(ひと目でわかる要点)
| 制度名 | 令和8年度 地域医療勤務環境改善体制整備事業 |
|---|---|
| 実施機関 | 東京都保健医療局医療政策部医療人材課 |
| 対象地域 | 東京都 |
| 補助率 | 10/10(資産形成経費は9/10) |
| 補助額の基準 | 最大使用病床数×1床あたり133千円(要件を満たす場合、令和8年度までは266千円まで可) |
| jグランツの受付開始 | 2026年10月22日(木) |
| jグランツの受付終了 | 2027年3月31日(水) 23:59 |
| 申請方法 | 申請手続は対象施設宛てにメールで連絡(東京都の事業ページ) |
令和6年4月からの医師の時間外・休日労働の上限規制を受け、地域の医療提供体制を確保しつつ医師の労働時間短縮を進めるため、チーム医療の推進やICT等による業務改革など、医療機関全体の効率化や勤務環境改善の取組を支援します。
対象となる事業者
次のいずれかを満たす都内の医療機関です。ただし、診療報酬で地域医療体制確保加算を取得している医療機関は除かれます(実施要綱第2)。
- 救急用の自動車または救急医療用ヘリコプターによる搬送件数が年間1,000件以上2,000件未満で、地域医療に特別な役割がある医療機関
- 搬送件数が年間1,000件未満のうち、夜間・休日・時間外入院件数が年間500件以上で地域医療に特別な役割がある医療機関、または離島、へき地等で同一医療圏に他に救急対応可能な医療機関が存在しないなど特別な理由がある医療機関
- 周産期医療、小児救急医療機関、精神科救急等、公共性と不確実性が強く働く医療を提供している医療機関
- 脳卒中や心筋梗塞等の心血管疾患の急性期医療を担い、一定の実績と役割がある医療機関など
- その他在宅医療において特に積極的な役割を担う医療機関
あわせて、次の要件をすべて満たす必要があります(交付要綱第6)。
- 勤務医の負担軽減と処遇改善のため、勤務状況の把握と改善の必要性等を提言する責任者を配置すること
- 年の時間外・休日労働が960時間を超える、または超えるおそれがある医師を雇用している医療機関で、36協定において全員または一部の医師の年の時間外・休日労働時間の上限が720時間を超えていること
- 多職種からなる役割分担推進の委員会または会議を設置し、「医師労働時間短縮計画」を作成すること(特定労務管理対象機関はG-MISへの登録も必要)
- 「医師労働時間短縮計画」にもとづく取組事項を、医療機関内への掲示等の方法で公開すること
こんな事業者におすすめ
- 救急や周産期、小児救急などを担い、医師の時間外・休日労働の上限規制への対応を進めたい都内の医療機関
- 医師労働時間短縮計画にもとづき、勤怠管理システムなどのICT機器を導入したい医療機関
- 休憩室の整備や短時間勤務要員の確保で、勤務環境を改善したい医療機関
補助率・補助上限額
補助率は10/10(資産形成経費は9/10)です。固定の上限額ではなく、病床数をもとに次のとおり算定します(交付要綱第7)。
- 最大使用病床数(療養病床を除く。精神科救急を根拠とする場合は精神病床の最大使用病床数)×1床あたり133千円を基準額とし、対象経費の実支出額に補助率を掛けた額と比べて少ない方を選びます
- その額と、総事業費から寄附金その他の収入を差し引いた額に補助率を掛けた額を比べ、少ない方が交付額です。都の予算の範囲内で交付され、1,000円未満は切り捨てます
- 交付要綱第7の4の要件を満たす場合、令和8年度までは標準単価を266千円まで可とされています
補助対象となる経費
「医師労働時間短縮計画」にもとづく取組を総合的に実施する事業に要する経費です。東京都の事業ページでは、次の経費が例示されています。
- 勤怠管理システム等のICT機器
- 休憩室整備費用
- 改善支援アドバイス経費
- 短時間勤務要員の確保経費
対象外になる経費
- 国、地方公共団体等の他の補助金等を充当して実施する事業
- 診療報酬で医師事務作業補助体制加算・看護補助加算を取得している場合の、その加算の対象範囲
スケジュールと申請方法
受付期間はjグランツの登録情報にもとづきます。東京都の事業ページでは、申請手続は対象施設宛てにメールで連絡するとされています。
- 実施要綱第2の対象に当たるかを確認する
- 医師労働時間短縮計画を作成し、取組事項を公開する
- 知事の指定する日までに交付申請書を提出する
- 交付決定を受け、事業を実施する(実施期間は交付決定日が属する年度の4月1日から3月31日まで)
- 事業完了後1か月以内、または都の会計年度の終了時のいずれか早い日までに実績報告書を提出する
申請前に押さえたいポイント
- 地域医療体制確保加算を取得している場合は対象外です。最初に確認してください。
- 36協定の上限時間と時間外・休日労働の実態が、交付要綱第6の要件に当たるかを確認してください。
- 医師事務作業補助体制加算・看護補助加算を取得している場合は、加算の対象範囲と補助対象の範囲を切り分けて整理してください。
申請前の注意点
- 実際の提出期限は、都から届く案内に従ってください。
- 東京都が公表している実施要綱・交付要綱の最新の改正は令和6年10月です。令和8年度の取扱いは東京都の案内をご確認ください。
- 救急医療の実績を数える期間は、実施要綱と東京都の事業ページとで記載が異なります。申請前に東京都へご確認ください。
- 補助事業で取得した財産には処分の制限があり、耐用年数を経過するまでは知事の承認なく目的外使用や譲渡等ができません。
- 補助事業に関する書類は、事業の属する会計年度の終了後5年間保管する必要があります。
- 消費税の仕入控除税額が確定した場合は、速やかに報告が必要です。
ほじょカツのひとこと
救急や周産期、在宅医療などで地域医療に特別な役割を担う医療機関に向けた制度です。まず、地域医療体制確保加算を取得していないことと、実施要綱第2のどれに当たるかを確かめ、都から申請手続の案内メールが届いているかを確認してください。
そのうえで、36協定の上限時間、多職種の委員会の設置、医師労働時間短縮計画の作成と公開の順に確認すると進めやすくなります。補助額は病床数で基準額が決まるため、最大使用病床数と計画の経費を並べて試算しておきましょう。
よくある質問
Q. どの医療機関が対象ですか。
A. 救急搬送件数などの実績や、地域医療で担う役割について実施要綱第2のいずれかを満たす都内の医療機関です。診療報酬で地域医療体制確保加算を取得している医療機関は除かれます。
Q. 補助率はどのくらいですか。
A. 資産の形成につながる費用は10分の9、それ以外の費用は10分の10です。
Q. 補助額はどのように決まりますか。
A. 最大使用病床数(療養病床を除く)に1床あたり133千円を掛けた額を基準とし、対象経費の実支出額に補助率を掛けた額などと比べて少ない方の額になります。交付要綱第7の4の要件を満たす場合、令和8年度までは標準単価を266千円まで可とされています。
Q. 申請の受付期間はいつまでですか。
A. jグランツの受付は2027年3月31日23:59までです。交付申請書の実際の提出期限は、都から届く案内に従ってください。
Q. 問い合わせ先はどこですか。
A. 東京都保健医療局医療政策部医療人材課人材計画担当です。電話は03-5320-4441(直通)です。
問い合わせ先
東京都保健医療局医療政策部医療人材課人材計画担当/〒163-8001 新宿区西新宿二丁目8番1号/電話 03-5320-4441(直通)
出典・公式情報
- jグランツ掲載ページ:https://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0WfQ000003poQrUAI
- 東京都の事業ページ:地域医療勤務環境改善体制整備事業
- 資料:実施要綱(第2・第3)
- 資料:補助金交付要綱(第3〜第8・第11)
※本記事は 2026年11月4日(水) 時点の公募要領・公式情報をもとに、ほじょカツ編集部が要点をまとめたものです。要件や締切は変更されることがあります。申請前に必ず公式の最新情報をご確認ください。