ISO認証やプライバシーマークの取得を検討しているものの、
「認証取得にはどのくらい費用がかかる?」
「コンサルティング費用も対象になる?」
「Pマークの取得費用に使える助成金はない?」
とお悩みの事業者もいるのではないでしょうか。
東京都品川区では、区内企業による認証取得を支援する「企業プレゼンス向上認証取得助成」を実施しています。
令和8年度の対象となるのは、
ISO 9001・ISO 27001・ISO 42001・プライバシーマークの新規取得
です。
ISO認証の場合は最大60万円、プライバシーマークの場合は最大30万円、対象経費の2/3が助成されます。
特に令和8年度は、ISO 42001が新たに助成対象となっている点にも注目です。チラシでもISO 42001に対して「今年度から対象!」と案内されています。
この記事では、「企業プレゼンス向上認証取得助成」の対象者、助成額、対象経費、申請スケジュール、申請時の注意点などを詳しく解説します。
企業プレゼンス向上認証取得助成とは?
「企業プレゼンス向上認証取得助成」は、品川区内の企業による国内でのISO認証およびプライバシーマーク認定の新規取得に必要な経費の一部を助成する制度です。
対象となる認証・認定は、次の4種類です。
- ISO 9001
- ISO 27001
- ISO 42001
- プライバシーマーク(Pマーク)
ポイントは、すでに取得している認証・認定の更新ではなく、新規取得が対象となることです。
令和8年度からISO 42001が新たに対象
令和8年度は、ISO 42001が新たに助成対象となっています。
ISO 42001は、AIマネジメントシステムに関する国際規格です。
AIを活用する企業が増えるなか、AIの適切な管理・活用に向けた体制整備を進め、ISO 42001の新規取得を検討している品川区内の中小企業にとって注目したい制度です。
最大いくら助成される?
助成額は、取得する認証・認定によって異なります。
| 対象事業・認証規格 | 助成上限額 | 助成率 |
|---|---|---|
| ISO 9001 | 最大60万円 | 2/3 |
| ISO 27001 | 最大60万円 | 2/3 |
| ISO 42001 | 最大60万円 | 2/3 |
| プライバシーマーク | 最大30万円 | 2/3 |
助成額は1,000円未満切り捨てです。
また、1事業者あたり年度内1申請限りとなっています。
複数の認証・認定にかかる経費を同時に申請することも可能です。
ただし、複数の認証・認定を申請した場合でも、それぞれについて上限額まで助成されるわけではなく、合計の助成上限額は最大60万円となります。
申請期間はいつまで?
令和8年度の申請期間は、
2026年10月1日(木)~10月30日(金)午後5時必着です。
申請は原則としてオンラインで行います。
申請期間が約1か月と限られているため、利用を検討している事業者は、必要書類や取得予定の認証、対象となる経費などを早めに確認しておきましょう。
なお、申請件数等を考慮し、予算の範囲内で品川区が助成額を決定します。
そのため、申請したからといって必ず申請額どおりの助成を受けられるわけではありません。
どんな事業者が対象?
申請できるのは、中小企業基本法第2条に規定する中小企業者です。
ただし、みなし大企業は対象外となります。
また、一般社団法人、医療法人、NPO法人、宗教法人なども対象外です。
所在地の要件
・法人の場合は、
品川区内に本社または主な事業所を有することが必要です。
・個人事業主の場合は、
品川区内に住民票上の住所または事業所所在地があることが要件となっています。
*さらに、申請締切日を基準として、
品川区内で引き続き1年以上事業を営んでいることも必要です。
そのため、これから品川区内で創業する事業者というよりも、すでに品川区内で一定期間事業を行っており、新たにISOやPマークを取得したい中小企業向けの制度となっています。
税金の滞納がないことも必要
税金についても要件があります。
法人の場合は法人事業税および法人都民税、個人事業主の場合は個人事業税および住民税を滞納していないことが必要です。
また、品川区に対する使用料等の債務についても、支払いが滞っていないことが求められています。
このほか、
- 同一の経費について、品川区や国、東京都、市町村、中小企業振興公社等から助成金などの資金支援を受けていないこと
- 引き続き品川区内で事業を継続する意思があること
- 品川区が指定する誓約事項に同意すること
などの要件があります。
申請前には、募集要項に記載されているすべての要件を満たしているか確認しましょう。
どんな認証取得に使える?
今回の助成対象となるのは、次の認証・認定の新規取得です。
ISO 9001
ISO 9001は、品質マネジメントシステムに関する認証です。
製品やサービスの品質を管理し、継続的な改善につなげるための仕組みを構築する際に活用されます。
ISO 27001
ISO 27001は、情報セキュリティマネジメントシステムに関する認証です。
顧客情報や機密情報などを取り扱う企業が、情報セキュリティの管理体制を構築する際に活用されます。
ISO 42001
ISO 42001は、AIマネジメントシステムに関する認証です。
今回の助成制度では、令和8年度から新たに助成対象となっています。
AIを利用する企業が、AIの適切な管理・活用に向けた体制を整備する際に関係する認証です。
プライバシーマーク(Pマーク)
プライバシーマーク制度では、事業者の個人情報保護マネジメントシステム(PMS)とその運用が、「JIS Q 15001」をベースとした審査基準に適合しているかが評価されます。
Pマークの申請時には、PMSを運用した記録や規程類を提出する必要があります。
さらに、
計画(Plan)→実施(Do)→点検・評価(Check)→改善(Act)
というPDCAサイクルを少なくとも1回以上実施しておく必要があります。
体制を整備したり規程類を作成したりしただけでは申請できないため、取得を検討している場合は、申請までに必要となる運用期間も考慮して準備を進めましょう。
どんな経費が助成対象になる?
企業プレゼンス向上認証取得助成では、ISO認証やプライバシーマークの新規取得に必要となる、次の経費が対象です。
- 内部監査員養成等を目的とした講座・研修受講費用
- コンサルティング費用
- 審査費用
認証取得に向けた人材育成や、専門家によるコンサルティング、認証・認定に必要な審査などにかかる費用が対象となります。
また、対象経費については、
事業の実施日と費用の支払日の両方が、2026年4月1日~2027年3月31日の期間内
である必要があります。
請求書や領収書などによって、経費の支払いが確認できることも要件です。
対象にならない経費に注意
ISOやPマークの取得に関連する費用であっても、すべてが助成対象になるわけではありません。
以下の経費は対象外です。
- コンサルティング費用のうち源泉徴収所得税
- 取得予定または取得済みの認証・認定にかかる維持費
- 更新審査および更新にかかるコンサルティング費用
- 付与登録料
- 旅費・交通費・宿泊費
- その他、対象事業にかかるものと品川区が判断できない費用
特に注意したいのが、認証・認定の更新にかかる費用や付与登録料は対象外となっている点です。
プライバシーマークの付与にかかる費用は、JIPDECの案内では「申請料・審査料・付与登録料」に分かれています。
このうち、品川区の助成対象経費として明記されているのは審査費用などであり、付与登録料は対象外です。
申請する際は、見積書などの費目を確認し、どこまで助成対象になるのかを整理しておきましょう。
プライバシーマーク取得にはどんな準備が必要?
今回の助成制度では、プライバシーマークの新規取得について、最大30万円・助成率2/3の支援を受けられます。
では、実際にPマークを取得するためには、どのような準備が必要なのでしょうか。
JIPDECによると、プライバシーマーク制度は、事業者の個人情報保護マネジメントシステム(PMS)とその運用が、「JIS Q 15001」をベースとした審査基準に適合しているかを評価する制度です。
申請時には、PMSを運用した記録や規程類を提出する必要があります。
さらに、
計画(Plan)→実施(Do)→点検・評価(Check)→改善(Act)
というPDCAサイクルを、少なくとも1回以上実施しておく必要があります。
つまり、社内体制を整えたり規程類を作成したりしただけで、すぐに申請できるわけではありません。
Pマークの新規取得を検討している事業者は、認定取得に向けた社内体制の構築や実際の運用も含め、余裕を持って準備を進めましょう。
実際にPマークを取得した品川区企業の事例
品川区では、実際にプライバシーマークを取得した区内企業のインタビューを公開しています。
株式会社アーバン・コネクションズは、2026年2月にPマークを新規取得しました。
同社では、以前から情報管理を重視した取り組みを行っていましたが、第三者機関による審査を通して、自社の管理体制を検証するためにPマークの取得を決めたと紹介されています。
また、取得の過程で自社の情報管理方法を改めて検証・整理したことで多くの気づきを得たほか、外部コンサルタントを取り入れ、第三者から検証を受けたことも効果的だったとしています。
認証・認定の取得は、単にマークを取得するだけではなく、自社の情報管理体制や社内ルールを改めて見直す機会として活用することもできそうです。
申請方法
企業プレゼンス向上認証取得助成は、原則としてオンライン申請です。
品川区中小企業支援サイトから「品川区電子申請サービス」にアクセスし、必要事項を入力したうえで、必要書類をアップロードします。
主な提出書類は次のとおりです。
- 事業実施計画書
- 経費内訳書
- 助成対象事業の内容がわかる資料
- 経費金額の根拠となる書類
- 履歴事項全部証明書(法人)または開業届等(個人)
- 納税証明書
- 誓約書
また、講座・研修受講費用を申請する場合は、講座や研修の内容がわかるパンフレット等、コンサルティング費用を申請する場合は、コンサルティング契約書が必要です。
申請時に支払いが終わっていない場合は?
経費金額の根拠となる書類は、申請時の状況によって異なります。
申請時点で経費の支払いと対象事業の実施がともに完了している場合は、原則として請求書・領収書の2点を提出します。
一方、申請時点でまだ完了していない場合は、見積書を提出します。
見積書で申請した場合は、実績報告時に請求書・領収書等を提出する必要があります。
申請前に確認しておきたい注意点
① 申請すれば必ず満額もらえるわけではない
申請総額が品川区の予算総額を上回った場合は、予算額内に収まるよう調整率を設定して交付額が調整されます。
そのため、申請額より交付決定額が少なくなる場合があります。
また、申請した案件すべてが助成対象になるとは限りません。
「早く申請すれば必ず満額もらえる」という制度ではないため、この点は理解しておきましょう。
② 同じ経費で他の補助金・助成金との重複はできない
申請要件として、品川区や他の公的機関(国、都道府県、市町村、中小企業振興公社等)から、同一の内容・経費について助成金等の資金支援を受けていないことが定められています。
他の認証取得支援制度などを利用している場合は、対象経費が重複していないか確認しておきましょう。
③ 交付決定後には実績報告が必要
助成金は、交付決定を受ければ手続きが完了するわけではありません。
事業完了後には、オンラインで実績報告を行います。
実績報告では、完了報告書や収支決算書のほか、原則として請求書・領収書などの経費支払いを確認できる書類や、審査報告書、講座・コンサルティング受講時の資料、コンサルティング会社との取得までの進行表など、事業実施内容がわかる資料を提出します。
令和8年度の実績報告書類の提出期限は、
2027年3月5日(金)です。
なお、助成対象経費については事業の実施・支払いともに2027年3月31日までが対象期間ですが、2027年3月5日時点で事業の実施・支払いが完了していない場合は、品川区へ別途連絡する必要があります。
企業プレゼンス向上認証取得助成はこんな事業者におすすめ
今回の助成制度は、たとえば次のような品川区内の中小企業が検討しやすい制度です。
- ISO 9001・ISO 27001を新たに取得したい
- 今年度から対象となったISO 42001を取得したい
- プライバシーマークを新規取得したい
- 認証取得に向けて講座・研修を受講したい
- 専門家のコンサルティングを受けながら認証取得を進めたい
- 認証取得に必要な審査費用の負担を抑えたい
特にISO 42001の新規取得を検討している事業者は、令和8年度から対象となった点を確認しておきましょう。
まとめ|ISO・Pマークの新規取得を検討している品川区の中小企業はチェック
令和8年度「企業プレゼンス向上認証取得助成」は、品川区内の中小企業によるISO認証やプライバシーマークの新規取得を支援する制度です。
対象となるのは、ISO 9001・ISO 27001・ISO 42001・プライバシーマークです。
ISO認証なら最大60万円、プライバシーマークなら最大30万円、対象経費の2/3が助成されます。
対象経費には、内部監査員養成等を目的とした講座・研修受講費用、コンサルティング費用、審査費用が含まれます。 チラシ
また、令和8年度からはISO 42001が新たに助成対象となっています。
申請期間は、
2026年10月1日(木)~10月30日(金)午後5時必着です。
ISOやPマークの新規取得を予定している品川区内の中小企業は、対象経費や申請要件、必要書類を確認し、申請に向けて準備を進めておきましょう。
【企業プレゼンス向上認証取得助成】
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