人手不足への対応や生産性向上のために、設備やシステムを導入したいと考えている中小企業・小規模事業者の方も多いのではないでしょうか。
そんな事業者が活用を検討したい制度が、「中小企業省力化投資補助金(一般型)」です。
中小企業省力化投資補助金(一般型)は、人手不足に悩む中小企業等が、業務プロセスの自動化・高度化、ロボットを活用した生産プロセスの改善、DXなど、それぞれの現場や事業内容に合わせて行う設備導入・システム構築を支援する制度です。
現在、2026年の第8回公募が実施されています。
さらに、中小企業庁が公表した令和9年度概算要求では、「省力化・デジタル化・AI投資補助金」が盛り込まれており、AIを含むデジタル技術の活用と省力化設備の導入を一体的に支援する方向性が示されています。
現在の一般型の制度内容で設備投資を検討している事業者は、今回の第8回公募を活用できないか、早めに確認しておきたいところです。
この記事では、第8回公募について、
- どんな事業者が活用できるのか
- 補助上限額・補助率
- 対象経費と設備投資の条件
- 「一般型」と「カタログ注文型」の違い
- 第6回の採択率・採択事例
- 第8回で重要な「足下の賃上げ」
- 申請スケジュール
- 来年度に示されている制度の方向性
などを分かりやすく解説します。
中小企業省力化投資補助金(一般型)とは?
中小企業省力化投資補助金は、人手不足に悩む中小企業・小規模事業者等の省力化投資を支援する補助金です。
その中でも「一般型」は、事業者ごとの現場や業務プロセスに合わせた設備・システムの導入によって、業務プロセスの自動化・高度化などを進めるための制度です。
単に新しい設備を購入することが目的ではありません。
まず、
現在の業務のどこに人手がかかっているのか?
どこが生産性向上を妨げるボトルネックになっているのか?
を分析します。
そのうえで、課題を解決する設備・システムを導入し、省力化によって生まれた人材や時間を、より付加価値の高い業務へ再配置していきます。
第8回の「事業計画書作成の参考ガイド」でも、
現在の業務・経営環境を把握する
↓
省力化すべきボトルネックを特定する
↓
課題に対応する設備・システムを導入する
↓
省力化によって生まれた経営資源を再配置する
↓
企業全体の生産性向上・賃上げにつなげる
という考え方が示されています。
つまり、単純に「人を減らすための設備投資」ではなく、限られた人材をより有効に活用し、企業全体の生産性や付加価値を高めるための設備投資と考えると分かりやすいでしょう。
どんな事業者におすすめ?
一般型は、特に次のような課題を抱えている事業者が活用を検討しやすい制度です。
- 人手不足によって従業員1人あたりの負担が増えている
- 手作業の工程が多く、生産性を高めたい
- ロボットや自動化設備を導入したい
- AIやデジタル技術を活用して業務を効率化したい
- 複数の設備・システムを組み合わせて工程を省力化したい
- 自社の業務に合わせた設備・システムを構築したい
- 省力化によって生まれた人材・時間を、新規事業や営業、商品開発などへ振り向けたい
重要なのは、「人手不足だから設備を買いたい」だけで終わらせないことです。
どの工程にどの程度の人手や時間がかかっているのか、その設備を導入するとどのくらい削減できるのか、そして創出した人材・時間をどのように活用するのかまで考えていきます。
補助上限額はいくら?
中小企業省力化投資補助金(一般型)は、従業員数によって補助上限額が異なります。
| 従業員数 | 通常の補助上限額 | 大幅賃上げ特例適用時 |
|---|---|---|
| 5人以下 | 750万円 | 1,000万円 |
| 6~20人 | 1,500万円 | 2,000万円 |
| 21~50人 | 3,000万円 | 4,000万円 |
| 51~100人 | 5,000万円 | 6,500万円 |
| 101人以上 | 8,000万円 | 1億円 |
通常の補助上限額は最大8,000万円ですが、一定の要件を満たして大幅な賃上げに取り組む場合は、最大1億円まで補助上限額が引き上げられます。
「最大1億円もらえる補助金」というだけで判断するのではなく、自社の従業員数ではどの上限額が適用されるのかを確認しましょう。
補助率は?
補助率は事業者の規模などによって異なります。
| 対象者 | 補助率 |
|---|---|
| 中小企業 | 1/2(特例適用時 2/3) |
| 小規模企業者・小規模事業者 | 2/3 |
| 再生事業者 | 2/3 |
中小企業については、一定の最低賃金要件を満たす場合、補助率を1/2から2/3へ引き上げる特例があります。
一方、小規模企業者・小規模事業者、再生事業者については、通常の補助率が2/3となっています。
大幅な賃上げで補助上限額がアップ
第8回公募では、一定の大幅な賃上げに取り組む事業者を対象として、補助上限額を引き上げる特例が設けられています。
大幅賃上げ特例では、基本要件に加えて、
1人当たり給与支給総額の年平均成長率+6.0%以上
に加え、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+50円以上の水準とすることなどが求められます。
そのため、
設備投資
↓
省力化
↓
生産性・付加価値向上
↓
収益力向上
↓
従業員への賃上げ
までを具体的な計画として考えることが重要です。
第8回の指定様式には「1人当たり給与支給総額の足下の賃上げ計画値」という項目も設けられているため、混同しないよう注意しましょう。
どんな経費に使える?
第8回公募では、機械装置・システム構築費の計上が必須です。
主な補助対象経費は次のとおりです。
- 機械装置・システム構築費
- 運搬費
- 技術導入費
- 知的財産権等関連経費
- 外注費
- 専門家経費
- クラウドサービス利用費
この中でも、特に確認しておきたいのが「機械装置・システム構築費」です。
50万円以上の設備投資が必須!
第8回公募では、単価50万円(税抜き)以上の機械装置等への設備投資を1点以上行うことが必須となっています。
対象となる機械装置・システム構築費には、補助事業のために使用する機械・装置や工具・器具、専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築などが含まれます。
また、機械装置・システム構築費以外の経費は、総額500万円(税抜き)までとなっています。
ただし、
「50万円以上の設備なら何でも対象になる」というわけではありません。
補助事業を実施するために必要な設備・システムであり、その投資によってどのような省力化を実現するのかを事業計画に落とし込む必要があります。
汎用設備でも対象になる?
「一般型なら、完全なオーダーメイド設備でなければ対象にならないの?」
と思う方もいるかもしれません。
完全な専用設計設備だけが対象になるわけではありません。
汎用設備であっても、自社の導入環境に合わせて周辺機器や構成、搭載する機能などを変更したり、複数の設備を組み合わせることで、より高い省力化効果や付加価値を生み出したりする場合には、オーダーメイド設備として扱われます。 指針
実際、第6回公募で採択された飲食サービス業の事例では、大型製麺ライン、石臼機・ふるい機、真空包装機・冷却機など、複数の汎用設備を組み合わせて導入しています。
それによって、製麺から出荷準備までの工程を効率化する計画となっています。 一般型公募(第6回)採択結果について
「汎用設備だから対象外」と判断するのではなく、自社の業務プロセスの中で設備をどう組み合わせ、どのような省力化を実現するのかという視点で検討しましょう。
AI・システムの導入にも活用できる?
一般型では、機械設備だけでなく、AIやシステムを活用した省力化も検討できます。
例えば、第6回公募で採択された建設業の事例では、ファイバーレーザー切断機とAIネスティングソフトを導入しています。
AIによる自動配置などを活用して切断工程を効率化することで、年間約1,585時間の省力化を見込む計画となっています。
さらに、鋼材の有効利用率を約10%改善し、創出した時間を品質管理、後進育成、工程管理、原価計算、見積り・価格交渉などへ振り向け、収益性の向上につなげる計画です。 一般型公募(第6回)採択結果について
そのため、「製造業が大型機械を購入するための補助金」と考えるのではなく、AIやデジタル技術を使って自社の業務プロセスを省力化できないかという視点でも検討できます。
「一般型」と「カタログ注文型」は何が違う?
中小企業省力化投資補助金には、大きく「一般型」と「カタログ注文型」があります。
カタログ注文型は、人手不足解消に効果がある汎用製品をあらかじめカタログに掲載し、その中から事業者が製品を選んで導入する仕組みです。
一方、一般型では、それぞれの企業の現場や業務プロセスに合わせた、より幅広い省力化投資を支援します。
一般型では、
現在この作業に○人・○時間かかっている
↓
設備・システムを導入する
↓
○人・○時間まで削減する
↓
生まれた人材・時間を高付加価値業務へ再配置する
↓
売上・付加価値・生産性を向上させる
↓
賃上げにつなげる
というところまで事業計画に落とし込むことが重要です。
第8回の参考ガイドでも、現在のボトルネック、設備導入前後の業務、省力化効果、省力化によって生まれた労働力・時間の活用、高付加価値業務への再配置などが確認ポイントとして示されています。
一般型では「省力化した後」が重要!
この補助金で特に押さえておきたいのが、設備を導入して終わりではないということです。
実際、第8回の事業計画書には、
「省力化投資で生まれる経営資源の活用による新たな付加価値の創出」
という項目が設けられています。
さらに、「労働生産性と1人当たり給与支給総額等の向上」についても記載する構成になっています。
例えば、
「3人で行っていた作業が1人でできるようになった」
というところで終わるのではなく、
「そこで生まれた人材や時間を何に活用するのか?」
まで考えることが重要です。
営業活動の強化、新商品・新サービスの開発、顧客対応、品質管理、人材育成など、より付加価値の高い業務へ経営資源を振り向けていきます。
省力化 → 人材・時間の再配置 → 付加価値向上 → 生産性向上 → 賃上げ
までを一つのストーリーとして考えることが、一般型の事業計画を作成するうえで重要です。
第8回公募のスケジュール
第8回公募の主なスケジュールは次のとおりです。
| 項目 | スケジュール |
|---|---|
| 公募開始 | 2026年8月18日(火) |
| 申請受付開始 | 2026年9月18日(金) |
| 申請締切 | 2026年10月16日(金)17:00 |
| 採択発表 | 2027年2月上旬予定 |
申請は電子申請システムのみで行います。
また、申請にはGビズIDプライムアカウントが必要です。
電子申請マニュアルでは、申請者自身が内容を理解したうえで申請することや、締切後の提出は受け付けられないことなども案内されています。 応募申請の手引き(第8回公募) マニュアル
第8回の申請締切は2026年10月16日(金)17:00です!
設備・システムの選定だけでなく、現状分析、省力化効果の算出、賃上げ計画、事業計画の作成、必要書類の準備なども必要になります。
締切直前になって慌てないよう、早めに準備を進めておきましょう。
来年度は?「省力化・デジタル化・AI投資補助金」が概算要求に
第8回公募を検討するうえで、もう一つ押さえておきたいのが来年度の制度動向です。
中小企業庁が公表した「令和9年度 中小企業・小規模事業者関係 概算要求等ポイント」では、AX・省力化・デジタル化を通じた抜本的な経営改革を推進する方針が示されています。
その中で、支援策の一つとして「省力化・デジタル化・AI投資補助金」が盛り込まれています。
対象として示されているのは、人手不足や生産性向上などの課題を抱える中小企業・小規模事業者等です。
AIを含むデジタル技術の活用や、省力化設備の導入を一体的に支援する方向性が示されています。
中小企業庁|令和9年度 中小企業・小規模事業者関係 概算要求等ポイント
ただし、現時点では概算要求段階です。
具体的な補助上限額、補助率、対象経費、申請要件などについては、今後公表される情報を確認する必要があります。
現在の中小企業省力化投資補助金(一般型)の制度内容で設備・システムへの投資を検討している場合は、来年度の制度を待つだけではなく、まず今回の第8回公募で申請できないか確認しておきましょう。
第6回の採択事例から見る!採択されるためのポイント
ここからは、実際の採択結果や採択事例をもとに、どのような点を意識して事業計画を作成すればよいのかを見ていきます。
一般型第6回公募では、採択された事業者の事業計画概要も公開されています。
ただし、公開されている事例は、実際に提出された事業計画書を事務局が短縮・編集したものです。また、審査はさまざまな観点から総合的に行われるため、同じ設備や似た事業計画で申請すれば採択されるというものではありません。
そのうえで採択事例を見ると、第8回の事業計画を作成する際にも参考になるポイントが見えてきます。
第6回の採択率は約63.9%!どんな業種が採択された?
一般型第6回公募では、1,841件の申請に対して1,176件が採択されました。
採択率を計算すると、約63.9%です。
採択された事業者の業種構成を見ると、
製造業:51.4%
建設業:14.6%
となっており、製造業が採択者全体の半数以上を占めています。 一般型公募(第6回)採択結果について
ただし、これは採択された1,176件のうち、それぞれの業種が占める割合です。
「製造業の採択率が51.4%」という意味ではなく、業種別の応募件数を分母とした数字でもないため、製造業だから採択されやすいと判断することはできません。
実際に公開されている採択事例には、製造業や建設業だけでなく、卸売業、宿泊業、飲食サービス業、運輸・郵便業、生活関連サービス業など、さまざまな業種があります。
自社と同じ業種だけではなく、
「どんな課題があったのか」
「設備によってどのくらい省力化するのか」
「省力化で生まれた人材や時間を何に使うのか」
という事業計画の組み立て方にも注目してみましょう。
①「欲しい設備」ではなく「現在の課題」から考える
まず重要なのが、
「何を導入したいか」ではなく、「現在どんな課題があるのか」から考えること
です。
第6回の製造業の採択事例では、切削加工工程について、
- 手作業が多く、生産能力が人員配置に左右されている
- 手作業による治具への取り付けでばらつきが発生する
- 品質が作業者の技能に依存している
- 不良品や検査、材料ロスが発生している
といった課題を整理しています。
その課題に対して、パレットチェンジャーを備えた横形マシニングセンタなどを導入し、夜間を含む連続・無人運転につなげる計画となっています。 一般型公募(第6回)採択結果について
つまり、
現状の業務
↓
経営課題・ボトルネック
↓
課題を解決する設備・システム
という順番で考えることがポイントです。
「この設備が欲しいから補助金を使いたい」ではなく、なぜその設備が自社に必要なのかを説明できる事業計画を作りましょう。
② 省力化効果は「数字」で具体的に示す
次に重要なのが、設備導入によってどの程度省力化できるのかを数字で示すことです。
第6回の飲食サービス業の採択事例では、大型製麺ラインなどの導入によって、
製麺作業時間:1日600分 → 150分
作業体制:3名 → 1名の監視体制
へ省力化する計画となっています。
さらに、生産能力についても、
週2,000玉 → 6,000玉
へ拡大する計画が示されています。
単に、
「業務が効率化します」
「従業員の負担を軽減できます」
と説明するだけではなく、
何時間削減できるのか?
何人分の作業を省力化できるのか?
生産量や処理能力はどの程度増えるのか?
など、設備導入前と導入後を具体的な数字で比較することがポイントです。
第8回の申請に使用する「【指定様式】事業計画書(その3)第8回応募」にも、省力化計算シートや省力化業務プロセス図が用意されています。
「省力化できます」だけではなく、どの工程がどのくらい変わるのかまで具体化しておきましょう。
③ 省力化で生まれた人材・時間を何に使う?
一般型では、設備を導入して省力化するだけでなく、省力化した後も重要です。
第6回の卸売業の採択事例では、デバンニング(コンテナからの荷下ろし)作業をロボットで自動化することで、必要な作業員を5名から2名へ削減。
そこで生まれた人員を新設する物流基地事業へ再配置し、新たな売上の創出や事業拡大につなげる計画となっています。
つまり、
「5人で行っていた仕事を2人でできるようになった」
だけで終わるのではなく、
「そこで生まれた人材を何に活用するのか」
まで考えるということです。
例えば、省力化によって生まれた人材や時間を、
- 営業活動の強化
- 新商品・新サービスの開発
- 品質管理
- 顧客対応
- 人材育成
- 新規事業
など、より付加価値の高い業務へ活用することが考えられます。
実際、第8回の事業計画書にも、「省力化投資で生まれる経営資源の活用による新たな付加価値の創出」という項目があります。
「何人減らせるか」だけではなく、省力化によって生まれた経営資源を会社の成長にどう活用するのかまで考えてみましょう。
④ 省力化を売上・収益力・賃上げにつなげる
さらに、省力化を会社全体の成長へどうつなげるのかもポイントです。
第6回の運輸・郵便業の採択事例では、出荷工程を自動化することで、
9~12名 → 1~3名
まで作業人員を省力化しています。
そこで生まれた人員を別の業務へ再配置するとともに、処理能力を高めて大型案件の獲得につなげ、収益力向上や賃上げを目指す計画となっています。 一般型公募(第6回)採択結果について
第8回の事業計画書にも、「労働生産性と1人当たり給与支給総額等の向上」について記載する項目があります。
そのため、
省力化 → 人材・時間の再配置 → 付加価値向上 → 生産性向上 → 賃上げ
までを一つの流れとして考えると、事業計画を整理しやすくなります。
第8回では「足下の賃上げ」もチェック
第8回では、賃上げについても確認しておきましょう。
申請に使用する「【指定様式】事業計画書(その3)第8回応募」には、「1人当たり給与支給総額の足下の賃上げ計画値」という項目があります。
直近の事業年度から基準年度までの**「足下の賃上げ計画」**を策定するもので、計画が策定されていない場合や目標を下回る計画の場合は、審査で不利となることが示されています。
具体的には、直近決算期から基準年度までの1人当たり給与支給総額について、物価上昇率の目安である3.0%を上回る年平均成長率を目指す計画がポイントになります。
難しく感じるかもしれませんが、まずは、
「設備を導入した後だけでなく、現在から賃上げについても計画しておく必要がある」
と押さえておくとよいでしょう。
なお、前半で紹介した「大幅賃上げ特例」は、一定の要件を満たすことで補助上限額を引き上げる制度です。「足下の賃上げ」とは別のものなので注意しましょう。
採択事例から分かる事業計画のポイント
ここまでの採択事例を整理すると、一般型では設備そのものよりも、設備投資によって会社をどう変えていくのかが重要だと分かります。
例えば、
現在、5人で行っている作業がある
↓
人手不足や作業時間が経営上の課題になっている
↓
自動化設備・システムを導入する
↓
2人で対応できるようになる
↓
生まれた人材・時間を営業や新商品開発へ活用する
↓
売上・付加価値を高める
↓
労働生産性を向上させる
↓
賃上げにつなげる
という流れです。
第8回の事業計画書も、
現状分析・経営課題
↓
省力化補助金活用の動機・目的
↓
省力化投資の具体的内容
↓
省力化投資によって期待される効果
↓
生まれた経営資源を活用した新たな付加価値の創出
↓
労働生産性・1人当たり給与支給総額等の向上
という流れで事業内容を整理する構成になっています。
つまり、
「設備を買うための申請」ではなく、「設備投資によって会社をどう成長させるのかを示す事業計画」
と考えると分かりやすいでしょう。
採択=補助金額の確定ではないので注意!
申請前にもう一つ知っておきたいのが、採択された時点で申請した補助金額の全額が確定するわけではないという点です。
採択後には交付申請があり、補助対象経費などについて確認・審査が行われます。
その結果、一部の経費が補助対象外になるなど、交付決定額が申請時の金額から変わる可能性があります。
また、設備投資を行うためには、補助金が入金されるまでの資金も必要です。
そのため、
「補助金が入るから設備を購入できる」
という考え方だけではなく、自己資金や金融機関からの融資なども含めて、補助事業を実行できる資金計画を考えておきましょう。
申請は事業者自身が内容を理解して行いましょう
第8回公募は、電子申請システムから申請します。
申請にはGビズIDプライムアカウントが必要です。
電子申請マニュアルでは、申請者自身が申請内容を理解したうえで申請することや、締切後の提出は受け付けられないことなどが案内されています。
専門家などの支援を受ける場合でも、
・自社のどこに課題があるのか?
・なぜこの設備・システムが必要なのか?
・どの程度省力化できるのか?
・生まれた人材・時間を何に使うのか?
・どうやって付加価値・生産性・賃上げにつなげるのか?
を、事業者自身が説明できる状態にしておくことが大切です。
まとめ|第8回は「設備導入後の会社」を描くことが重要!
中小企業省力化投資補助金(一般型)は、人手不足に悩む中小企業・小規模事業者等が、設備・システムを導入して業務を省力化し、生産性・付加価値の向上や賃上げにつなげるための補助金です。
第8回公募では、従業員数に応じて補助上限額が設定されており、最大8,000万円、大幅賃上げ特例を活用した場合は最大1億円となります。
また、第6回公募では、1,841件の申請に対して1,176件が採択され、採択率は約63.9%でした。
採択事例から事業計画の流れを整理すると、
① 現在の業務・経営課題を把握する
↓
② 人手・時間がかかっているボトルネックを特定する
↓
③ 課題を解決する設備・システムを選定する
↓
④ 削減できる時間・人員を数字で示す
↓
⑤ 生まれた人材・時間を高付加価値業務へ活用する
↓
⑥ 売上・付加価値・労働生産性を向上させる
↓
⑦ 賃上げにつなげる
というところまで考えることがポイントです。
つまり、「何を買うか」だけではなく、「その設備を導入した後に会社をどう変えるのか」まで考えることが大切です。
さらに第8回では、「足下の賃上げ」についても計画しておく必要があります。
設備投資を検討する際は、設備の選定だけでなく、省力化によって生まれる人材や時間をどう活用し、会社全体の成長や賃上げにつなげていくのかまで整理しておきましょう。
そして来年度については、中小企業庁の令和9年度概算要求で、「省力化・デジタル化・AI投資補助金」が盛り込まれています。
AIを含むデジタル技術の活用と、省力化設備の導入を一体的に支援する方向性が示されています。
ただし、現時点では概算要求段階です。具体的な補助上限額、補助率、対象経費、申請要件などについては、今後の公表情報を確認する必要があります。
第8回公募の申請締切は、2026年10月16日(金)17:00です。
設備選定だけでなく、省力化効果の算出、賃上げ計画、資金計画、事業計画書の作成などにも時間が必要です。
人手不足を解消したい、AI・ロボット・システムを導入して業務を省力化したいという事業者は、まず自社の業務の中で「人手と時間がかかっている工程」を洗い出すところから始めてみましょう。
【中小企業省力化投資補助金(一般型)】
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