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【令和8年度】非石油由来製品等開発支援事業とは?最大2,000万円・助成率4/5で製品開発を支援

【令和8年度】非石油由来製品等開発支援事業とは?最大2,000万円・助成率4/5で製品開発を支援

原油価格の高騰や原材料価格の上昇を受けて、

「石油由来の原材料を減らしたい」
「代替素材を使った新しい製品を開発したい」
「エネルギー使用量を抑えるシステムを開発したい」

と考えている東京都内の中小企業も多いのではないでしょうか。

東京都中小企業振興公社では、こうした取り組みを支援する「令和8年度 非石油由来製品等開発支援事業」の申請を受け付けています。

この事業では、石油代替製品や原材料・エネルギー使用量の削減などにつながる製品・サービスの試作品の開発・改良に必要な経費について、最大2,000万円・助成率4/5以内の助成を受けることができます。

この記事では、令和8年度「非石油由来製品等開発支援事業」について、対象となる事業や対象者、助成額、対象経費、申請スケジュールなどをわかりやすく解説します。


非石油由来製品等開発支援事業とは?

「非石油由来製品等開発支援事業」は、原油供給不足や国際物流の停滞、原油由来の原材料・各種石油製品等の価格高騰に対応するため、東京都内の中小企業者等による石油代替製品や原材料の削減、エネルギー量の削減等につながる製品・サービスの試作品の開発・改良を支援する制度です。

助成内容

項目内容
助成限度額2,000万円
助成率助成対象経費の4/5以内
助成対象期間令和9年2月1日~令和10年10月31日
期間最長1年9か月
主な対象経費原材料・副資材費、機械装置・工具器具費、委託・外注費、産業財産権出願・導入費、直接人件費、専門家指導費、規格認証・登録費

なお、助成対象期間内に、申請時に設定した「達成目標」を満たす試作品(成果物)を完成させることが助成条件となっています。


どんな製品・サービスの開発に使える?

この事業の大きなポイントは、単に「環境に配慮した取り組み」を行うだけではなく、石油依存からの脱却や、石油由来原材料・エネルギー使用量の削減につながる製品・サービスの試作品を開発・改良することです。

募集要項では、主に次のような取り組みが対象例として挙げられています。

① サーキュラーエコノミー型の製品・機器・システム

石油依存からの脱却につながる、資源を循環させる製品・機器・システムなどです。

  • 再生材
  • 廃プラスチックの分別・油化装置
  • 部品の摩耗を防ぐ表面処理・補修コーティング機器

② 石油由来原材料の使用量を削減する機器・システム

製造や物流などの工程を効率化し、石油由来原材料の使用量削減につなげる機器やシステムも対象となります。

  • 自動梱包機
  • 発注最適化システム
  • 生産管理システム
  • インバータ・モーターを組み込んだ機器・システム

③ 石油由来原材料に代わる「代替原材料」の開発

石油由来の素材そのものを別の素材へ置き換えるための開発も対象です。

  • 国産代替原材料
  • バイオマスプラスチック

④ 石油代替原材料を使った製品等の開発

代替原材料そのものだけでなく、それを使った製品や、製造・加工するための機器・システムの開発も対象例として示されています。

  • バイオマスプラスチック等を使用した日用品
  • 容器・包装
  • 代替素材を使用した製品を製造・加工する機器・システム

⑤ エネルギー使用量を削減するシステム

電気や燃料などの使用量削減につながるシステム開発も対象です。

  • 輸送配送管理システム
  • 空調最適化AIシステム

これら5つの取り組みが、募集要項で具体例として示されています。


「設備を買うための助成金」ではない点に注意

ここは申請を検討するうえで非常に重要です。

この助成事業は、既製の省エネ設備などを購入して導入すること自体を目的とした制度ではありません。

対象となるのは、市場投入・事業化を目指す製品やサービスを生み出すための「試作品」の設計・製作・試験評価などの開発・改良です。

また、研究開発だけで終わる事業ではなく、助成事業の成果を活用した製品・サービスの具体的な販売計画があることも採択要件となっています。

そのため、

「省エネ設備を購入したい」
「既製の機械を導入して生産性を上げたい」

という設備投資が中心の事業では、この助成事業の対象とはなりません。


対象となる事業者は?

申請できるのは、主に次の事業者です。

  • 中小企業者(法人・個人事業者)
  • 中小企業団体等
  • 東京都内での創業を具体的に計画している方(創業予定の個人)

法人の場合、株式会社・合同会社・合名会社・合資会社・(特例)有限会社などが対象となります。

一方、社会福祉法人、医療法人、NPO法人、一般社団法人・一般財団法人、学校法人、LLPなどは対象外です。

また、法人や個人事業者については、東京都内での事業実態などの要件があります。

法人の場合は、基準日である令和8年7月1日時点で、東京都内に登記簿上の本店または支店があることなどが求められます。

創業予定者については、東京都内での創業を具体的に計画していることが必要です。


助成事業の実施場所にも要件あり

助成事業を実施する場所についても要件があります。

原則として、

  • 自社の事業所や工場等であること
  • 原則として東京都内であること
  • 購入予定の物品や開発人員、成果物などを確認できる場所であること

が求められます。

なお、状況によっては東京都だけでなく、神奈川県、埼玉県、千葉県、山梨県、群馬県、茨城県、栃木県を含む首都圏の実施場所でも要件を満たす場合があります。


申請期間はいつまで?

令和8年度の申請スケジュールは、次のとおりです。

手続き期間
申請前エントリー令和8年7月31日(金)~10月9日(金)16:00
申請受付令和8年7月31日(金)~10月9日(金)17:00
書類審査~令和8年12月上旬
面接審査令和8年12月下旬
総合審査~令和9年1月中旬
交付決定令和9年1月末
助成事業開始令和9年2月1日~

申請前エントリーとJグランツによる本申請では、締切時刻が1時間異なるため注意が必要です。

また、本申請は電子申請システム「Jグランツ」から行います。

Jグランツを利用するためには、GビズIDプライムアカウントが必要です。

GビズIDの発行には時間がかかる場合があるため、未取得の場合は早めに準備しておきましょう。


申請前に確認したいポイント

この制度を検討する場合は、まず次の点を確認しておくとよいでしょう。

  • 開発する製品・サービスが、石油代替や原材料削減、エネルギー使用量削減などにつながっているか
  • 単なる設備導入ではなく、技術的な開発・改良を伴っているか
  • 助成事業終了後に販売・事業化する具体的な計画があるか
  • 開発の主要部分を自社で実施できるか
  • 助成対象期間内に試作品を完成させ、設定した達成目標を満たせるか

「環境に良い取り組み」というだけではなく、何を開発し、どのように石油依存や原材料・エネルギー使用量を削減するのかを具体的に説明できる事業計画が重要になります。


助成対象となる経費

「非石油由来製品等開発支援事業」では、試作品の開発・改良に必要となる幅広い経費が助成対象となります。

対象経費は、次の7区分です。

経費区分主な内容
原材料・副資材費試作品の開発・改良に直接使用する原材料や部品など
機械装置・工具器具費開発・改良に必要な機械装置や工具器具など
委託・外注費開発・加工などを外部へ委託・外注する費用
産業財産権出願・導入費特許・実用新案・意匠・商標等の出願や導入にかかる費用
直接人件費開発・改良に直接従事する人員の人件費
専門家指導費外部専門家から技術指導を受ける費用
規格認証・登録費開発した製品等に必要な規格認証・登録にかかる費用

助成対象期間は令和9年2月1日から令和10年10月31日まで(最長1年9か月)です。

原材料・副資材費

開発・改良する試作品の構成部分となるものや、開発・改良を行う際に直接使用・消費する原料、材料、副資材の購入費が対象です。

たとえば、

  • 鋼材
  • 機械部品
  • 電機部品
  • 化学薬品
  • 試験用部品

などが挙げられています。

ただし、購入数量は助成事業期間中に使い切る必要最小限とする必要があり、事業終了時点で残っている未使用品は助成対象になりません。

また、残量や使用履歴が確認できるよう受払簿を作成するなど、適切な管理も必要です。

機械装置・工具器具費

試作品の開発・改良に必要となる機械装置や工具器具などの費用も対象となります。

ただし、前半でも紹介したとおり、この制度は量産設備などを導入するための設備投資制度ではありません。

あくまで、助成対象となる製品・サービスの試作品を開発・改良するために必要な機械装置等であることが重要です。

委託・外注費

試作品の開発・改良に必要となる加工や設計などを、外部の事業者等へ委託・外注する費用も対象となります。

ただし、次のような費用は対象外です。

  • 委託業務の全部または主要部分を第三者へ再委託する費用
  • 翻訳や資料収集等にかかる費用
  • 人材派遣にかかる費用
  • 技術開発・改良要素を伴わないデザインや翻訳等
  • 開発後の生産・量産等にかかる費用
  • 外注先が機械装置やシステム等を購入する費用

などがあります。

また、開発の全部または大部分を外部へ委託する事業ではなく、申請事業者自身が開発の主体となることが重要です。

産業財産権出願・導入費

開発・改良した試作品について、特許・実用新案・意匠・商標を出願するための費用も対象となります。

外国出願にかかる現地代理人費用や翻訳料も含まれます。

さらに、他の事業者や個人が保有する特許・実用新案・意匠・商標について、譲渡または実施許諾を受ける場合の費用も対象です。

一方、出願に関する調査費や審査請求、登録にかかる費用などは対象外となるため注意しましょう。

直接人件費

試作品の開発・改良に直接従事する人員の人件費も助成対象経費に含まれます。

実際に開発業務へ従事したことを確認できるよう、所定の直接人件費関係資料や全体工程表などによる実績管理が必要になります。

専門家指導費

試作品の開発・改良について、外部の専門家から技術指導を受ける場合の費用も対象です。

たとえば、外部専門家による技術指導への謝金などが挙げられています。

ただし、技術開発要素を伴わない一般的な指導・相談は対象外です。

また、専門家から指導を受けた場合は、各回の指導報告書を提出する必要があります。


申請から採択・事業開始までの流れ

申請から助成事業開始までは、おおむね次の流れで進みます。

1.GビズIDプライムを準備

申請は電子申請システム「Jグランツ」から行うため、GビズIDプライムアカウントが必要です。

未取得の場合は、申請前に取得手続きを行いましょう。

2.申請前エントリー

申請前エントリーの期限は、

令和8年10月9日(金)16:00まで

です。

3.Jグランツから本申請

必要書類を揃え、

令和8年10月9日(金)17:00まで

にJグランツから申請します。

締切直前はアクセス集中などによって申請手続きが滞る可能性があるため、余裕を持って手続きを行いましょう。

4.一次審査(書類審査)

一次審査は令和8年12月上旬までを予定しています。

一次審査の結果はJグランツで通知され、通過した場合は二次審査の日程が案内されます。

5.二次審査(面接審査)

二次審査は令和8年12月下旬に予定されています。

面接日時は公社が指定し、日時の変更はできないとされています。

6.総合審査・採択結果

一次審査・二次審査を踏まえ、令和9年1月中旬に総合審査が行われます。

採択結果は、令和9年1月末までにJグランツで通知される予定です。

7.交付決定・助成事業開始

交付決定は令和9年1月末、助成事業は令和9年2月1日から開始します。

なお、交付決定時に通知される助成予定額は、審査結果によって申請額から減額される場合があります。


採択後に事業計画を変更できる?

申請時の事業計画を変更する場合は、事前に東京都中小企業振興公社の承認を受ける必要があります。

正当な理由がある場合に限り変更が認められますが、申請時に設定した「達成目標」は変更できません。

そのため申請段階から、

  • 何を開発・改良するのか
  • どのような性能・機能を実現するのか
  • どこまでを成果物として完成させるのか
  • 助成対象期間内に実現できる計画になっているか

などを具体的に整理しておくことが重要です。


開発した製品・サービスはいつから販売できる?

販売開始時期にも注意が必要です。

本事業で開発・改良する製品・サービスを販売できるのは、助成事業完了後(完了検査の翌日以降)です。

助成対象期間中は、販売・営業行為にあたる広告や宣伝も実施できません。

また、助成金によって作製した試作品やその他の成果物そのものを販売することはできません。

試作品やその他の成果物は、助成事業を完了した年度の翌年度から起算して5年を経過する日まで保存する必要があります。

製品・サービスの事業化を予定している場合は、助成事業期間中と事業完了後の販売活動を分けて計画しておきましょう。


こんな事業者におすすめ

「非石油由来製品等開発支援事業」は、たとえば次のような事業者におすすめです。

  • 石油由来原材料を別の素材へ置き換えた製品を開発したい
  • バイオマスプラスチックなどを活用した製品を開発したい
  • 廃プラスチック等を再利用する機器・システムを開発したい
  • 原材料の使用量を削減できる装置やシステムを開発したい
  • 電気・燃料の使用量を削減するシステムを開発したい
  • 新製品の試作開発に原材料費・機械装置費・人件費などが必要

特に、助成限度額2,000万円・助成率4/5以内と助成規模が大きく、原材料費や機械装置費だけでなく直接人件費なども対象となる点は特徴のひとつです。

一方で、既製品の設備を購入するだけの事業ではなく、技術的な開発・改良を伴う試作品の開発であることが重要です。


申請前に注意したいポイント

本事業では、申請して採択されれば自由に開発・販売できるというわけではありません。

特に、

「試作品を完成させられるか」
「設定した達成目標を実現できるか」
「自社主体で開発できるか」
「助成事業終了後の販売・事業化まで具体的に考えられているか」

といった点を整理したうえで申請を検討しましょう。

また、採択された場合でも、申請した助成金額がそのまま交付されるとは限りません。

対象経費として認められる範囲や事業計画について、募集要項を十分に確認したうえで申請準備を進めることが大切です。


まとめ

令和8年度「非石油由来製品等開発支援事業」は、石油代替製品や原材料の削減、エネルギー使用量の削減などにつながる製品・サービスの試作品の開発・改良を支援する制度です。

助成内容は、

助成限度額:最大2,000万円
助成率:助成対象経費の4/5以内
助成対象期間:令和9年2月1日~令和10年10月31日(最長1年9か月)

となっています。

原材料・副資材費や機械装置・工具器具費、委託・外注費に加えて、直接人件費や専門家指導費なども対象となります。

一方で、単なる設備投資ではなく、市場投入・事業化を見据えた製品・サービスの開発・改良であることが重要です。

申請前エントリーは令和8年10月9日(金)16:00まで、Jグランツによる本申請は同日17:00までです。

申請を検討している場合は、締切直前ではなく、早めに対象要件や事業計画、対象経費を確認しておきましょう。


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