1. ホーム
  2. お知らせ
  3. 【東京都・最大600万円】経営力強化に向けた創意工夫チャレンジ促進事業(賃上げ重点コース)|第2回は9月1日から
スタッフブログ

【東京都・最大600万円】経営力強化に向けた創意工夫チャレンジ促進事業(賃上げ重点コース)|第2回は9月1日から

【東京都・最大600万円】経営力強化に向けた創意工夫チャレンジ促進事業(賃上げ重点コース)|第2回は9月1日から

「設備を導入して生産性を上げたい」

「システムを入れて業務を効率化したい」

「従業員の賃上げにも取り組みたいけれど、設備投資まで行うと負担が大きい……」

そんな東京都内の中小企業がチェックしておきたいのが、「経営力強化に向けた創意工夫チャレンジ促進事業(賃上げ重点コース)」です。

この制度は、業績が悪化している都内中小企業等が、設備投資や商品・サービスの改善などによって既存事業を「深化・発展」させ、あわせて従業員の賃上げに取り組む場合に、必要な経費の一部を助成するものです。

助成限度額は最大600万円

助成率は3/4以内、小規模企業者の場合は4/5以内です。

令和8年度第2回の申請受付期間は、

令和8年9月1日~9月14日16時まで

です。

ただし、「これから賃上げする予定」というだけで利用できる制度ではありません。

主なポイントとして、

  • 直近決算期の営業利益が前期より減少している、または損失を計上している
  • 常時使用する従業員が1名以上いる
  • 給与等総額を基準期間より2.0%以上増加させる
  • 助成事業実施場所内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上にする

といった要件があります。

この記事では、

「自社は対象になる?」
「賃上げはいくら必要?」
「どんな設備や経費に使える?」
「業務改善コースとの違いは?」

といったポイントをわかりやすく解説します。


経営力強化に向けた創意工夫チャレンジ促進事業とは?

「経営力強化に向けた創意工夫チャレンジ促進事業」は、物価高騰や社会情勢の変化、近年続く賃上げなど、中小企業を取り巻く経営環境の変化に対応するための東京都の支援制度です。

中小企業が自社の創意工夫を活かして取り組む、

既存事業の「深化・発展」

または、

新市場・新分野への進出

に必要な経費の一部を助成します。

さらに、助成金に採択された中小企業等には、取組の運用改善や今後の事業展開などについて助言を行う専門家(アドバイザー)の派遣も実施されます。

令和8年度は、取組内容によって次の3コースに分かれています。

コース主な取組助成限度額助成率
業務改善コース既存事業の深化・発展600万円2/3以内
賃上げ重点コース既存事業の深化・発展+賃上げ600万円3/4以内(小規模企業者4/5以内)
新市場・新分野進出コース新製品・新サービスによる新市場・新分野への進出1,000万円2/3~4/5以内

今回ご紹介する賃上げ重点コースは、

設備投資・事業改善

生産性・収益力の向上

従業員の賃上げ

という流れを目指す事業者向けのコースと考えるとわかりやすいでしょう。


業務改善コースと何が違う?

「既存事業を改善するなら、業務改善コースでもいいのでは?」

と思う方もいるかもしれません。

大きな違いは、所定の賃金引上げ計画を策定・実行するかどうかです。

業務改善コース

既存事業を深化・発展させる取組を支援するコースです。

助成限度額は600万円、助成率は2/3以内です。

賃上げ重点コース

同じく既存事業の深化・発展に取り組みますが、それに加えて賃金引上げ計画を策定・実行します。

そのため助成率が、

3/4以内
小規模企業者は4/5以内

と高く設定されています。

つまり、

「設備を導入して生産性を高める」だけでなく、その成果を従業員の賃上げにもつなげたい

という事業者に適したコースです。

なお、3つのコースのうち2つ以上を併願することはできません。


賃上げ重点コースの概要

主な内容をまとめると、次のとおりです。

項目内容
対象地域東京都
対象者要件を満たす都内中小企業者・個人事業者
対象となる取組既存事業の深化・発展
業績要件営業利益の減少または直近決算期で損失を計上
賃上げ所定の賃金引上げ計画を策定・実行
助成限度額600万円
助成率3/4以内
小規模企業者4/5以内
助成対象期間交付決定から1年間
申請方法Jグランツ
第2回申請期間令和8年9月1日~9月14日16時

たとえば、助成対象経費として800万円が認められ、3/4の助成率が適用された場合、

800万円 × 3/4 = 600万円

となり、助成限度額いっぱいまで助成を受けられる可能性があります。

小規模企業者の場合は4/5以内(最大80%)と、さらに高い助成率が設定されています。


どんな事業者が対象?

賃上げ重点コースは、

「東京都内で事業をしていて、賃上げするなら使える」

という制度ではありません。

申請を検討するときは、まず

①業績
②従業員
③賃上げ

の3点をチェックしてみましょう。


① 営業利益が減少している、または損失を計上している

まず、申請受付開始日時点で、次のいずれかに該当する必要があります。

直近決算期の営業利益が前期より減少している

たとえば、

  • 前期の営業利益:1,000万円
  • 直近の営業利益:600万円

という場合です。

直近決算も黒字ですが、営業利益は前期より減少しています。

つまり、「赤字企業しか申請できない」という制度ではありません。

黒字であっても、直近決算期の営業利益が前期より減少していれば、業績要件に該当する可能性があります。

直近決算期で損失を計上している

もう一つは、直近決算期に損失を計上している場合です。

物価高騰や原材料価格、人件費などの上昇によって収益環境が厳しくなっている企業が、設備投資や事業改善を通じて経営基盤を強化することを支援する制度となっています。


② 常時使用する従業員が1名以上必要

賃上げ重点コースでは、常時使用する従業員が1名以上いることも必要です。

公開されている令和8年度の賃金引上げ計画書では、

  • 役員のみの法人ではないこと
  • 従業員のいない個人事業者ではないこと

が誓約事項として示されています。

そのため、

代表者・役員だけで運営している法人や、
従業員を雇用していない個人事業主

は、このコースの対象にはなりません。

また、

  • 助成事業実施場所に従業員が所属していること
  • 常時使用する従業員が全員、労働保険に加入していること

なども確認項目となっています。


賃上げはいくら必要?2つの要件を確認

賃上げ重点コースの大きなポイントが、賃金引上げ計画です。

令和8年度の賃金引上げ計画書では、主に次の2つの要件を満たす計画を策定・実行することが示されています。

① 給与等総額を2.0%以上増加させる

1つ目は、

賃金引上げ計画期間における常時使用する従業員の給与等総額を、基準期間より2.0%以上増加させること

です。

ここでいう「2%」は、

「従業員1人の時給を2%上げればよい」

という意味ではありません。

公開されている計画書では、

  • 基準期間:基準日の属する月の前月から遡った12か月間
  • 賃金引上げ計画期間:助成事業完了日の属する月の翌月から起算した最大12か月間

とされています。

この2つの期間における常時使用する従業員の給与等総額を比較します。

また、計画書では「給与等」を賃金台帳に記載される差引支給額として算定する形式となっています。

そのため申請を検討する際は、

  • 対象となる従業員は誰か
  • 基準期間の給与等総額はいくらか
  • 計画期間でどの程度増加させる必要があるか

を、賃金台帳などを確認しながら整理しておくことが重要です。


② 助成事業実施場所内最低賃金を「地域別最低賃金+30円以上」に

もう一つの要件は、

助成事業実施場所内最低賃金を、地域別最低賃金+30円以上の水準にすること

です。

「助成事業実施場所内最低賃金」という言葉は少しわかりにくいですが、公開されている賃金引上げ計画書では、

助成事業を実施する場所で働く従業員に適用される時給額のうち、最も低い額

とされています。

月給制などの場合も、所定の方法によって時給に換算して確認します。

つまり、今回の助成事業を行う工場・店舗・事業所などで働く従業員のうち、最も低い時間額が基準になります。

なお、申請時点では必ずしも「地域別最低賃金+30円以上」である必要はなく、公開されている計画書では、賃金引上げ計画達成報告時に「地域別最低賃金+30円以上」の水準を満たす必要があるとされています。

地域別最低賃金は改定されるため、達成報告時点の最低賃金と比較する点にも注意しましょう。

賃上げ要件を簡単にまとめると

給与等総額を基準期間より2.0%以上増加

事業実施場所内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上にする

この2つをセットで考えておく必要があります。


小規模企業者なら助成率4/5以内

通常の助成率は3/4以内ですが、小規模企業者に該当する場合は4/5以内です。

令和8年度の申請書類では、小規模企業者について次の基準が示されています。

業種常時使用する従業員数
製造業・その他20人以下
卸売業・サービス業・小売業5人以下

たとえば、小規模企業者が750万円の設備投資等を行い、その全額が助成対象経費として認められた場合、

750万円 × 4/5 = 600万円

となり、助成限度額である600万円に達します。

設備投資を予定している小規模企業にとって、特に注目したいポイントです。


「既存事業の深化・発展」とは?

業績・従業員・賃上げの要件を満たせば、それだけで助成対象になるわけではありません。

今回行う取組が、既存事業の「深化」または「発展」につながることも重要です。

既存事業の「深化」

現在行っている事業そのものの質を高める取組です。

第1回募集要項では、

  • 高性能な機器・設備を導入して競争力を高める
  • 既存の商品・サービスの品質を向上させる
  • 高効率機器・省エネ機器を導入して生産性を向上させる

などが取組例として示されています。

たとえば、

「高性能な製造設備を導入し、加工時間を短縮して生産能力を高める」

といった取組です。


既存事業の「発展」

現在の事業で培った技術・ノウハウなどを活かして、新たな展開につなげる取組です。

たとえば、

  • 新商品を開発する
  • 新サービスを開発する
  • 商品・サービスの新しい提供方法を導入する
  • 既存事業で得た知見を活用した新たな取組を行う

などです。

ポイントは、これまで行ってきた事業とのつながりがあることです。

まったく関係のない事業を新しく始めるというより、既存事業の強みやノウハウを活かして事業を発展させる取組が想定されています。


単なる設備の買い替えでは対象にならない

「設備投資に使えるなら、古くなった機械を買い替えたい」

と考える方もいるかもしれません。

しかし、第1回募集要項では、

  • これまで営んできた事業との関連性が薄い、または全くない取組
  • 法令改正への対応など義務的な取組
  • 単なる老朽設備の維持・更新
  • 競争力や生産性向上につながらない取組

などが対象外として示されています。

そのため、

「古くなったから同程度の設備に交換する」

だけではなく、

「高性能設備を導入して生産時間を短縮する」

「省エネ設備へ切り替えてコスト削減と生産性向上につなげる」

「新設備の導入によって既存商品の品質を向上させる」

など、設備導入によって経営力がどのように強化されるのかを説明できることが重要です。


何に使える?対象経費を詳しく解説

賃上げ重点コースでは、機械・設備、システム導入、商品・サービスの改良に必要な原材料、外注・委託費など、既存事業の深化・発展に直接必要となる幅広い経費が助成対象となります。

一方で、

「古くなった設備をそのまま買い替える」
「現在の商品を単純に広告する」

といった支出が、そのまま対象になるわけではありません。

第1回募集要項では、対象経費として次の11区分が設けられています。


① 原材料・副資材費

製品・サービスの改良などに直接使用し、消費する原材料や副資材、部品などの購入費です。

たとえば、

  • 鋼材
  • 機械部品
  • 電機部品
  • 化学薬品
  • 試験用部品

などが対象例として示されています。

一方、販売するための商品・材料や、助成事業終了時点で使用せず残っているものなどは対象外となります。


② 機械装置・工具器具費

製品・サービスの改良等に直接使用する機械装置や工具器具などを、新たに購入・リース・レンタルする費用です。

たとえば、

  • 製造機械
  • 計測・測定機器
  • 検査機器
  • 金型
  • 治具

などが挙げられています。

設備導入の場合は、

「何を買うか」だけでなく、「導入によって生産性・品質・競争力がどう向上するか」

まで整理しておくことが重要です。


③ 委託・外注費

自社だけでは実施できない製品・サービスの改良や開発、加工などを外部事業者等へ依頼する費用です。

たとえば、

  • 開発・試験
  • 製造・改造・加工
  • 分析・鑑定
  • 大学・研究機関等との共同研究
  • マーケティング調査
  • モニター調査
  • 顧客ニーズ調査

などが対象となる場合があります。

なお、第1回募集要項では市場調査費だけで申請することはできません。


④ 産業財産権出願・導入費

改良した製品・サービスなどに関する、

  • 特許権
  • 実用新案権
  • 意匠権
  • 商標権

などの出願や、必要な権利の譲渡・実施許諾を受けるための費用です。


⑤ 規格等認証・登録費

改良した製品・サービスについて、規格への適合や認証取得、登録などを行うための費用です。

たとえば、

  • 認証・検査機関への申請手数料
  • 審査費用
  • 登録証発行料
  • 認証取得に必要な技術指導
  • 技術文書・マニュアル整備

などが対象となる場合があります。


⑥ 設備等導入費

設備投資を検討している事業者にとって、特に注目したい経費です。

第1回募集要項では、本事業の取組に直接必要な設備・備品等の購入や、それらの設置工事等に直接必要な費用が対象とされています。

たとえば、

  • 設備・備品の購入
  • 運搬
  • 搬入・据付
  • 設置に必要な材料
  • 直接仮設費
  • 撤去費
  • 処分費

などです。

ただし、単なる設備更新ではなく、設備導入によって既存事業をどのように深化・発展させるのかを説明できることが重要です。


⑦ システム等導入費

本事業に直接必要となるシステム構築や、ソフトウェア・ハードウェアの導入、クラウド利用などに要する費用です。

たとえば、

  • 業務システムの構築・改修
  • ソフトウェア導入
  • ハードウェア導入
  • クラウドサービス利用

などが対象となる可能性があります。

システムについても、

「システムを入れたい」ではなく、「導入によってどの業務が改善し、どのような経営効果が生まれるのか」

を明確にしておきましょう。


⑧ 専門家指導費

助成事業の実施に必要となる、外部専門家からの指導等に要する費用です。

ただし、第1回募集要項では専門家指導費だけでの単独申請はできません。


⑨ 不動産賃借料

助成事業を実施するために必要となる不動産の賃借料についても、条件を満たせば対象となる場合があります。

通常の事業運営に必要な家賃をそのまま計上するという意味ではなく、今回の助成事業に直接必要であることが重要です。


⑩ 販売促進費

新たな商品・サービスなどの販売促進に必要な経費も対象となる場合があります。

第1回募集要項では、販売促進費には150万円の上限が設定されています。

一方で、特に注意したいのが、

既存事業に係る販売促進費は対象外

という点です。

つまり、

「今販売している商品をもっと広告したい」

というだけでは対象にならない可能性があります。

今回の「既存事業の発展」等に関連する販売促進であることがポイントです。

また、販売促進費だけで申請することはできません。


⑪ その他経費

上記の区分に該当しない場合でも、助成事業に直接必要と認められる一定の経費については、「その他経費」として申請できる場合があります。

第1回募集要項では、その他経費の上限は100万円です。

その他経費のみでの申請はできません。


パソコンや一般的な経費なら何でも対象ではない

対象経費が幅広い制度ではありますが、一般的な事業経費がすべて対象になるわけではありません。

第1回募集要項では、主な対象外経費として、

  • 通常業務に係る経費
  • 直接人件費
  • 消費税・印紙代等
  • 通信費・光熱費などの間接経費
  • 土地・建物・車両等の購入費
  • 汎用性があり目的外使用になり得るパソコンや文書作成・表計算ソフト等

などが挙げられています。

「仕事で使うものだから対象になる」と判断せず、今回の助成事業に直接必要な経費かどうかを確認しましょう。


見積書は必要?「30万円・100万円」をチェック

設備やシステムなどの導入を検討している場合は、早めに見積りを取得しておくことが重要です。

第1回募集要項では、1契約あたり税抜30万円以上の申請経費について、見積書・カタログ等の提出が必要とされています。

見積書については、「一式」のような記載ではなく、

  • 規格
  • メーカー
  • 型番
  • 単価
  • 数量

など、経費の内容・内訳がわかるものを準備する必要があります。

さらに、1契約あたり税抜100万円以上の場合は、原則として2社以上の見積書(相見積)が必要です。

特別な理由があって相見積を取得できない場合には、その理由を示す必要があります。

高額な設備やシステムを検討している場合は、申請直前になって慌てないよう、早めに見積依頼を進めておきましょう。


第2回は9月1日~9月14日|申請はJグランツ

令和8年度第2回の賃上げ重点コースの申請期間は、

令和8年9月1日~9月14日

です。

今後は、

  • 第3回:令和8年12月1日~12月14日
  • 第4回:令和9年3月1日~3月12日

も予定されています。

申請は、国の電子申請システム「Jグランツ」から行います。

Jグランツを利用するためには、gBizIDプライムが必要です。

まだアカウントを取得していない場合は、事前に準備しておきましょう。


申請時には直近2期の決算書なども準備

前半で解説したとおり、賃上げ重点コースでは、

「直近決算期の営業利益が前期より減少している」
または
「直近決算期で損失を計上している」

ことが要件の一つです。

その確認のため、第1回募集要項では、法人・個人事業者それぞれに決算関係書類の提出が求められています。

個人事業主についても、申請様式に記載した営業利益に対応する直近決算期・前期決算期の最大2期分の書類を提出する形となっています。

第2回への申請を検討している場合は、まず直近2期分の決算書類を手元に用意して営業利益を比較するところから始めるとよいでしょう。


賃金台帳も早めに確認

賃上げ重点コースでは、賃金引上げ計画の確認資料も重要です。

第1回募集要項では、賃金引上げ計画書とあわせて、基準日の属する月の前月から遡る12か月間について、常時使用する従業員の賃金台帳の写しを提出することとされています。

そのため、申請直前になって賃金情報を集めるのではなく、

  • 対象となる従業員
  • 給与等総額
  • 最低賃金となる従業員の賃金
  • 雇用条件

などを早めに確認しておくと準備が進めやすくなります。


申請後は書類審査+面接審査

第2回については、本記事作成時点で第2回版の募集要項が公開されていないため、具体的な審査日程等は確定情報として掲載できません。

第1回募集要項では、

申請

専門家による書類審査

面接審査

交付決定

という流れになっています。

また、第1回では面接審査が実施されることが明記されています。

そのため申請書を作成するときは、

  • 現在どのような経営課題があるのか
  • なぜ今回の取組が必要なのか
  • なぜこの設備・システムを選ぶのか
  • 導入すると何が改善するのか
  • 生産性や収益力にどのような効果が期待できるのか
  • その成果を賃上げへどうつなげるのか

といった点を、自社の言葉で説明できるよう整理しておきましょう。


交付決定前の発注・契約はNG

設備導入を急いでいる事業者は、特に注意が必要です。

第1回募集要項では、助成対象期間は交付決定日から1年間とされており、この期間内に契約・実施・支払いまで完了した経費が助成対象となります。

そして、

交付決定前に発注・契約等をした場合

は、助成対象外となる頻出例として明記されています。

また、

  • 納品が助成対象期間を超えた
  • クレジットカードの口座引落日が助成対象期間を超えた
  • 契約・実施・支払いが対象期間内に完了していない

場合などにも注意が必要です。

「申請したから発注してよい」わけではありません。

設備の納期が長い場合も、スケジュールを十分に確認しておきましょう。


助成金は後払い|資金繰りも考えておこう

この助成金は、交付決定された時点で600万円が振り込まれる制度ではありません。

第1回募集要項では、助成金は実績に基づく「精算払い(後払い)」であり、助成事業の実施段階では事業者自身で資金を用意する必要があることが明記されています。

たとえば800万円の設備投資を予定している場合、

「最大600万円もらえるから、200万円だけ用意すればよい」

というわけではありません。

設備代等を先に支払える資金を確保したうえで、事業を実施する必要があります。

そのため、

  • 自己資金
  • 金融機関からの借入れ
  • 設備代金の支払時期
  • 助成金が入金されるまでの資金繰り

についても、申請前に確認しておきましょう。


申請から助成金交付までの流れ

第1回募集要項を参考にすると、大まかな流れは次のとおりです。

STEP1|Jグランツから申請

必要な申請書類を提出します。

STEP2|書類審査・面接審査

専門家による審査が行われます。

STEP3|交付決定

審査を経て、採択された事業者に交付決定が行われます。

STEP4|助成事業を実施

交付決定後、申請した設備導入やシステム構築、商品・サービスの改良などを実施します。

STEP5|実績報告

助成事業完了後、原則として実績報告を行います。

STEP6|完了検査

実績報告をもとに、公社による完了検査が行われます。

第1回募集要項では、完了検査とあわせて必須のアドバイザー派遣も行われます。

STEP7|助成金額の確定・請求・支払い

完了検査後、実際の支出内容等に基づいて助成金額が確定し、請求後に助成金が支払われます。

第1回募集要項のフローでも、実績報告・完了検査・助成金額確定・請求・支払いの順で進むことが示されています。


賃上げ重点コースは「助成金を受け取って終わり」ではない

このコースで特に重要なのが、助成事業完了後も賃金引上げ計画の確認が続くことです。

第1回募集要項では、

助成事業終了

賃金引上げ計画の実施

賃金引上げ計画の実績報告

確認・助成金額の確定

という流れが示されています。

賃金引上げ計画を達成できなかった場合には、助成率は2/3以内となります。

この点は令和8年度チラシにも明記されています。

そのため、

「4/5まで助成されるから賃上げ重点コースを選ぶ」

のではなく、

設備投資等によって生産性・収益力を高め、その後の賃上げまで実際に実行できるか

を考えたうえで申請することが大切です。


3つのコースは併願できない

本事業には、

  • 業務改善コース
  • 賃上げ重点コース
  • 新市場・新分野進出コース

がありますが、2つ以上のコースを併願することはできません。

また、「経営力強化に向けた創意工夫チャレンジ促進事業」と「中小企業収益力強化サポート事業」を同時に利用することもできません。

自社の取組内容を整理して、適切なコースを選びましょう。


第2回への申請を考えている方|まずはここから確認

「申請できそうだけど、何から準備すればいい?」

という方は、まず次の5つを確認してみましょう。

① 直近2期分の決算書を確認

営業利益を比較して、

「直近決算期の営業利益が前期より減少しているか」
「直近決算期で損失を計上しているか」

を確認しましょう。

② 従業員と賃金を確認

賃金台帳などから、

  • 常時使用する従業員
  • 基準期間の給与等総額
  • 事業実施場所内最低賃金

などを確認しておきましょう。

③ 導入したい設備・システムを整理

「何を買うか」だけでなく、

「何が課題で、導入すると何が改善するのか」

まで整理しておくことがポイントです。

④ 見積りを依頼

税抜30万円以上の申請経費を予定している場合は、見積書等を準備します。

税抜100万円以上の場合は、相見積についても確認しておきましょう。

⑤ gBizIDプライムを確認

Jグランツによる申請に必要です。

未取得の場合は、早めに準備を進めましょう。


まとめ|「設備投資+賃上げ」を考える都内中小企業はチェック

「経営力強化に向けた創意工夫チャレンジ促進事業(賃上げ重点コース)」は、業績が悪化している都内中小企業等が、既存事業を深化・発展させながら、従業員の賃上げにも取り組む場合に活用を検討できる制度です。

ポイントをまとめると、

  • 助成限度額は最大600万円
  • 助成率は3/4以内
  • 小規模企業者は4/5以内
  • 営業利益の減少または直近決算期での損失計上が必要
  • 所定の賃金引上げ計画を策定・実行
  • 機械・設備、システム、原材料、外注、不動産賃借料、販売促進費など幅広い経費が対象
  • 税抜30万円以上は見積書等を準備
  • 税抜100万円以上は相見積にも注意
  • 第2回は令和8年9月1日~9月14日
  • 申請はJグランツ
  • 助成金は原則として後払い
  • 助成事業終了後も賃上げ計画の実績確認がある

特に、

「設備を導入して生産性を高めたい」
「システムを導入して既存事業を改善したい」
「事業の収益力を高め、その成果を従業員の賃上げにもつなげたい」

という東京都内の中小企業等は、活用を検討したい制度です。

一方で、業績要件や賃上げ要件、対象経費、見積り、資金計画など、申請前に確認すべきポイントも多くあります。

「自社は対象になる?」
「導入予定の設備は対象経費になる?」
「業務改善コースと賃上げ重点コース、どちらが合っている?」

など、自社で活用できる補助金・助成金がわからない場合は、早めに情報収集を進めておきましょう。


※本記事について
本記事は、東京都中小企業振興公社が公開している令和8年度の公式情報・チラシ・申請書類等をもとに作成しています。
本記事作成時点では、第2回版の募集要項は公開されていません。
対象経費の詳細や交付決定後の手続きなど、一部については第1回募集要項を参考情報として掲載しています。第2回への申請にあたっては、東京都中小企業振興公社の公式ホームページで最新の公開情報・申請書類等を必ずご確認ください。

ご相談は「ほじょカツ」へ

「自社の設備は補助対象になる?」

「他の補助金と比較して、自社にはどの制度が合っている?」

このようなお悩みがありましたら、ほじょカツではZoomによる無料相談を実施しています。

事業内容や設備投資の計画を丁寧にヒアリングし、自社に適した補助金制度や申請のポイントをご提案いたします。

補助金選びや事業計画書の作成でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

経営力強化に向けた創意工夫チャレンジ促進事業
(賃上げ重点コース)

💻公式サイトはこちら

💡補助金情報を探している方へ、このページをシェアお願いします👇

🐦 X(旧Twitter)でシェアする

💬 LINEでシェアする

📘 Facebookでシェアする