東京都江戸川区では、区内中小企業等の生産性向上や業務効率化を目的としたIT導入を支援する「デジタル技術活用促進助成事業(IT導入)」を実施しています。
会計ソフトや電子請求書発行システム、生産管理システム、勤怠・労務管理システム、販売管理システム、RPAなど、新たなITツールを導入する際の費用の一部が助成されます。
💰 助成率:3分の2以内
💰 上限額:50万円
たとえば、助成対象経費が75万円の場合、
75万円 × 2/3 = 50万円
となり、上限となる50万円の助成を受けられる可能性があります。
「紙や手作業中心の業務を効率化したい」
「会計・請求業務をシステム化したい」
「勤怠管理や販売管理に新しいクラウドサービスを導入したい」
という江戸川区内の事業者は、ぜひチェックしておきたい制度です。
⚠️重要
この助成金は、ITツールやシステムを導入する前の申請が必要です。
また、予算額に達し次第、受付終了となります。
導入を検討している場合は、発注・契約を進める前に制度を確認しましょう。
デジタル技術活用促進助成事業(IT導入)とは?
「デジタル技術活用促進助成事業(IT導入)」は、江戸川区内の中小企業等が行う、バックオフィスの生産性向上または業務効率化を目的としたIT導入を支援する制度です。
単に新しいITツールを購入するための助成金ではなく、
- どのような業務上の課題があるのか
- IT導入によってどのように解決するのか
- どの程度の生産性向上・業務効率化が期待できるのか
を整理したうえで申請することが重要です。
制度概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象地域 | 東京都江戸川区 |
| 対象者 | 区内中小企業者等/一定の要件を満たす中小企業グループ |
| 対象事業 | バックオフィスの生産性向上・業務効率化を目的としたIT導入 |
| 助成率 | 対象経費の3分の2以内 |
| 上限額 | 50万円 |
| 申請回数 | 同一年度内1回まで |
| 受付 | 予算額に達し次第終了 |
| 申請時期 | IT導入・発注等の前 |
| 事業完了・実績報告 | 3月12日まで |
| 電子申請 | 対応(GビズIDが必要) |
なお、同一年度内の申請は1回までですが、別々の案件について「DX導入」区分と同時に申請することは可能とされています。
どんなIT導入に使える?
助成対象となるのは、バックオフィスの生産性向上または業務効率化を目的とした、
- ソフトウェア
- クラウドサービス
- システム
などの新規導入です。
江戸川区の公式資料では、活用例として次のようなIT導入が紹介されています。
活用例
- 生産管理システムの導入
- 会計ソフトの導入
- 電子請求書発行システムの導入
- RPAの導入
- 勤怠・労務管理システムの導入
- 販売管理システムの導入 など
「IT導入」という名称ですが、対象となるのはソフトウェアの購入費だけではありません。
初期設定やカスタマイズ、クラウド利用料、運用保守費、必要なハードウェア、導入したデジタル技術を習得するための費用なども対象になる可能性があります。
助成対象となる経費
① IT導入費
申請年度に新たに導入する、
- ソフトウェア
- クラウドサービス
- システム
などの導入費が対象です。
また、それらの導入に伴う初期設定やカスタマイズに必要な費用も対象となります。
② クラウド使用料等
インターネットやネットワークを介して情報を蓄積するサーバー利用料等も対象となります。
③ サービス利用料等
新たに導入するソフトウェア等やハードウェアに関する、
- 利用料
- 使用料
- リース料
- 運用保守経費
なども対象です。
クラウド使用料・サービス利用料については、原則として申請年度内の対象期間に係る費用が対象です。
ただし、年額を一括で支払う場合は、導入後1年間までの利用料を対象とすることができます。
④ ハードウェア購入費
新しく導入するシステムやサービスを利用するうえで必要となるハードウェアについては、購入費が対象となる場合があります。
ただし、
「パソコンを購入したいから、この助成金を使う」
といった申請はできません。
パソコン・タブレット・プリンター等の汎用性が高いハードウェアは対象外です。
また、ハードウェア購入費だけで申請することもできず、新規導入するソフトウェア等を利用するために必要なハードウェアであることが必要です。
⑤ デジタル技術習得経費
導入したデジタル技術を習得する際に必要となる、
- 講習費用
- 教材費
なども対象となります。
「システムを導入して終わり」ではなく、従業員が実際に活用できるようにするための費用まで対象となる点は、この助成金の特徴のひとつです。
外注による自社向けカスタマイズも対象になる可能性あり
既製品のシステムでは、自社の業務フローに合わないケースもあります。
この制度では、外注先に依頼して、自社用にカスタマイズしたシステムを制作する場合は対象になる可能性があります。
一方で、外注せずに自社で構築するソフトウェア等に係る経費は対象外です。
そのため、
「市販のシステムでは自社の業務に合わない」
「自社の業務フローに合わせた機能を追加したい」
という場合も、対象になる可能性があるため確認してみましょう。
対象外となるIT導入に注意!
ITに関する費用であれば、何でも助成対象になるわけではありません。
代表的な対象外経費には次のようなものがあります。
❌ 対象外となる主なもの
- Word、Excel、PowerPoint等の汎用ソフト
- セキュリティソフト
- パソコン・タブレット・プリンター等
- 生成AIなど、助成事業以外にも流用可能な汎用性の高いもの
- 既に導入済みのソフトウェア等のバージョンアップ
- ライセンスの追加購入
- 既存製品の更新
- 同じ目的の他社製品への単純な入れ替え
- 自社で構築するソフトウェア等
- 助成金申請書類の作成にかかる事務的経費
- 消費税・振込手数料・光熱水費・印紙税等
「他社製品への入れ替え」も対象外になる場合があります
特に注意したいのが、既存システムから別のシステムへのリプレイス(入れ替え)です。
たとえば、
現在A社の会計ソフトを利用しているが、同じ複式簿記を目的としてB社の会計ソフトへ変更する
というケース。
導入目的が同じで、単なる製品の更新・入れ替えと判断される場合は対象外となります。
つまり、
「新しい製品だから対象になる」というわけではありません。
現在抱えている課題と、新しいITツールを導入することで何が変わるのかを明確にしておくことが重要です。
対象となる事業者は?
主な対象は、江戸川区内に本店または主たる事務所を有する中小企業者等です。
個人事業者の場合は、住所および主たる事業所が区内にあることが求められます。
対象には一般的な会社・個人事業者のほか、要件を満たす、
- NPO法人
- 医療法人
- 各種組合
- 一般社団法人・一般財団法人
- 社会福祉法人
- 労働者協同組合
なども含まれます。
さらに、
- 業種ごとの資本金または従業員数の要件を満たしている
- 前年度の法人住民税・法人事業税等を滞納していない
- 東京信用保証協会の保証対象業種または農林水産業を営んでいる
- 風俗営業等を営む事業者ではない
- 対象事業について国・東京都・江戸川区等の他の補助を受けていない
- 助成対象期間内に事業を完了できる
などの要件があります。
中小企業グループによる共同申請についても、一定の要件を満たす場合は対象となります。
申請から助成金受領までの流れ
この制度で特に重要なのが、申請と発注の順番です。
STEP1|江戸川区へ事前相談
申請を検討している場合は、まず江戸川区の相談・受付窓口へ相談します。
導入したいシステムやサービス、対象経費などを整理しておきましょう。
STEP2|申請書・事業計画書を提出
必要書類を準備して申請します。
この段階では、まだ発注等を行わないよう注意してください。
STEP3|助成金交付決定
江戸川区が交付申請書を審査し、交付決定通知書を送付します。
STEP4|ITツール・システムを導入
交付決定後に、
- 発注
- 契約
- システム導入
- 支払い
などを進めます。
STEP5|実績報告書を提出
IT導入後、速やかに実績報告書を提出します。
事業の完了および実績報告書の提出は3月12日までです。
STEP6|助成金額の確定
江戸川区が実績報告書を審査し、助成金額を確定します。
STEP7|助成金を請求
区所定の様式を使って助成金を請求します。
STEP8|助成金の振込
手続き完了後、助成金が振り込まれます。
⚠️交付決定前の発注は対象外!
この制度で最も注意したいポイントのひとつです。
申請前・交付決定前にシステム等を発注してしまうと、助成対象になりません。
「助成金があることを後から知ったので申請したい」
という使い方はできないため、IT導入を検討している段階で確認しておきましょう。
また、予算額に達し次第受付終了となるため、導入予定がある場合は早めの準備がおすすめです。
3月12日までに導入・実績報告まで完了する必要があります
もうひとつ重要なのがスケジュールです。
この助成金では、助成対象事業を3月12日までに完了し、同期間内に実績報告書を提出する必要があります。
そのため、
「3月12日までに申請すればいい」
という制度ではありません。
申請
↓
交付決定
↓
発注・契約
↓
IT導入
↓
支払い
↓
実績報告
までのスケジュールを考えて、余裕をもって申請することが重要です。
さらに予算額に達した場合は受付自体が終了するため、年度末まで待たずに早めに検討しましょう。
事業計画書では「導入効果」を具体的な数字で
申請時には「事業計画書」の提出が必要です。
事業計画書では、主に次の内容を記載します。
① 実施の背景・必要性
自社の事業状況や、IT導入に取り組む理由など
② 課題と解決方法
現在抱えている具体的な課題と、その解決方法
③ 事業の具体的な内容
導入するソフトウェア・システム等の内容や全体構成
④ 事業により期待される効果
バックオフィスの業務効率化・生産性向上について、具体的な成果指標や数値を用いて記載
⑤ 事業実施スケジュール
申請から導入・完了までの予定
たとえば、
「業務を効率化するためにシステムを導入する」
だけではなく、
「毎月20時間かかっている請求書作成業務をシステム化し、月5時間まで削減する」
など、導入前後の変化を具体的に整理すると、事業の目的や効果が伝わりやすくなります。
電子申請にも対応!GビズIDの準備を
令和8年3月以降に提出する交付申請書から、電子申請が可能となっています。
電子申請の場合も、紙で提出する場合と同じ様式を使用し、必要事項を入力した電子データを添付して申請します。
なお、電子申請にはGビズIDが必要です。
GビズIDを持っていない場合は、アカウント取得に必要な期間も考慮して早めに準備しておきましょう。
「DX導入」との同時申請も可能
江戸川区では、「IT導入」のほかにもデジタル化・DXを支援する制度が用意されています。
本助成金は同一年度内1回までですが、別々の案件であれば「DX導入」区分と同時申請することが可能です。
また、江戸川区ではDXの専門知識を持つアドバイザーが導入をサポートする「DX促進・伴走支援事業」なども実施されています。
「何を導入すればいいのか分からない」
「IT化とDXのどちらに該当するのか分からない」
という場合は、こうした制度もあわせて確認してみましょう。
こんな事業者におすすめ
この制度は、特に次のような江戸川区内の事業者におすすめです。
✔ 会計・請求業務を効率化したい
会計ソフトや電子請求書発行システムなどを新規導入したい事業者。
✔ 勤怠・労務管理をデジタル化したい
紙のタイムカードや手作業での集計から、勤怠・労務管理システムへの移行を検討している事業者。
✔ 定型業務を自動化したい
RPAなどを活用し、繰り返し発生する事務作業を自動化したい事業者。
✔ 生産・販売管理を効率化したい
生産管理や販売管理をシステム化し、入力・集計作業などを効率化したい事業者。
✔ 自社に合わせたシステムを導入したい
既製品だけでは対応できず、外注による自社向けカスタマイズを検討している事業者。
大規模なDXに取り組む前に、まず日常業務やバックオフィスのIT化を進めたい企業にとって、活用を検討しやすい制度です。
まとめ|江戸川区でIT導入を検討しているなら早めの確認を
江戸川区の「デジタル技術活用促進助成事業(IT導入)」は、バックオフィスの生産性向上や業務効率化を目的としたIT導入に対して、
助成率:3分の2以内
上限額:50万円
が助成される制度です。
対象となる可能性があるのは、
- ソフトウェア・システム導入費
- 初期設定・カスタマイズ費
- クラウド・サーバー利用料
- サービス利用料・運用保守費
- システム利用に必要なハードウェア
- デジタル技術の講習費・教材費
など。
一方で、パソコンや生成AIなどの汎用性の高いもの、既存システムの単純な更新・入れ替え、自社で内製するシステムなどは対象外です。
そして重要なのが、
①交付決定前に発注しない
②3月12日までに事業完了・実績報告
③予算額に達し次第受付終了
という3つのポイントです。
「自社が導入予定のシステムは対象になる?」
「クラウドサービスの利用料も申請できる?」
「事業計画書の成果指標をどう書けばいい?」
など、IT導入や補助金・助成金の活用を検討している場合は、発注する前に早めに確認しておきましょう。
補助金・助成金の活用でお悩みの方へ
「自社で使える補助金・助成金が分からない」
「この設備・システムは補助対象になる?」
「申請に向けて何から準備すればいい?」
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制度はそれぞれ対象者・対象経費・申請時期などが異なります。
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デジタル技術活用促進助成事業(IT導入)
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