「従業員の給与を上げたいけれど、人件費の負担が心配…」
「人材確保のために賃上げを考えているけれど、活用できる制度はないだろうか?」
そんな豊島区内の中小企業・個人事業主を支援する制度が、「としま賃上げ促進支援金」です。
この制度では、従業員の基本給または時間給を3%以上引き上げた場合、対象従業員1人につき5万円、1事業者あたり最大50万円の支援金が給付されます。
設備投資や新規事業への補助ではなく、「従業員への賃上げ」そのものを支援する制度であることが大きな特徴です。人材確保や従業員の定着を図りたい事業者にとって、活用しやすい制度といえるでしょう。
この記事では、
- 制度の概要
- 支援内容
- 対象となる事業者・従業員
- 申請期間
- 必要書類
- 申請時の注意点
まで、令和8年度の最新情報をもとにわかりやすく解説します。
としま賃上げ促進支援金とは?
としま賃上げ促進支援金は、物価高騰や人手不足の影響を受ける豊島区内の中小企業等を支援するため、従業員の賃上げを行った事業者へ支援金を給付する制度です。
令和7年11月に決定された国の総合経済対策を受け、豊島区では区内事業者の人材確保や雇用環境の改善を目的として本制度を実施しています。
賃上げによる負担を軽減しながら、従業員のモチベーション向上や採用力の強化につなげられる点が魅力です。
支援内容
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 支援額 | 対象従業員1人につき5万円 |
| 支援上限額 | 1事業者あたり最大50万円(最大10人分) |
| 対象地域 | 東京都豊島区 |
| 賃上げ対象期間 | 令和8年4月1日~令和8年12月15日 |
| 申請受付期間 | 令和8年4月20日~令和8年12月22日 (予算上限に達し次第終了) |
対象となる事業者
本制度の対象となるのは、豊島区内で事業を営む中小企業・個人事業主です。
具体的には、次の要件を満たす必要があります。
法人
- 豊島区内に本店登記地があること
- 豊島区内に主たる事業所があること
個人事業主
- 豊島区内に主たる事業所があること
さらに、次の要件も満たす必要があります。
- 中小企業基本法に規定する中小企業であること
- 法人住民税などの税金を滞納していないこと
- 令和8年度に賃上げを目的とした他の公的給付を受けていないこと
- 宗教活動・政治活動を目的とした事業ではないこと
- 暴力団等と関係がないこと など
対象外となる事業者
次のような事業者は対象外となります。
- 発行済株式の総数または出資総額の2分の1以上を同一の大企業が保有する中小企業
- 発行済株式の総数または出資総額の3分の2以上を大企業が保有する中小企業
- 大企業の役員等が役員総数の2分の1以上を占める中小企業
また、税金の滞納がある場合や、公的資金の使途として不適切と判断される事業なども対象外となります。
対象となる賃上げ
本制度では、令和8年4月1日から令和8年12月15日までの間に実施した賃上げが対象となります。
対象となるためには、賃上げ後の基本給単価を使用して計算された最初の賃金を、対象期間内に支給していることが必要です。
賃上げの要件
支援金の対象となる賃上げは、基本給または時間給などの「基本給単価」を前月比3%以上引き上げることです。
対象となる賃金の例
- 月給(基本給)
- 時間給
- 日給
- 週給
- 年俸などの基本給単価
一方で、次のようなものは対象外となります。
- 賞与
- 通勤手当
- 役職手当
- 資格手当
- その他各種手当
つまり、「手当を増やす」のではなく、基本給そのものを3%以上引き上げることが要件となります。
対象となる従業員
賃上げを行えば誰でも対象になるわけではありません。
対象となる従業員は、次のすべてを満たす必要があります。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 勤務時間 | 週20時間以上勤務していること |
| 雇用保険 | 雇用保険の被保険者であること |
| 雇用開始日 | 令和7年11月21日以前から雇用されていること |
| 役員 | 対象外 |
例えば、令和8年に新しく採用した従業員や、役員、週20時間未満のアルバイトなどは支援金の対象となりません。
支援額
支援額は、対象従業員1人につき5万円です。
また、1事業者あたりの上限額は50万円となっており、最大10人分まで申請できます。
支給例
| 対象従業員数 | 支援金額 |
|---|---|
| 1人 | 5万円 |
| 3人 | 15万円 |
| 5人 | 25万円 |
| 8人 | 40万円 |
| 10人以上 | 50万円(上限) |
賃上げを実施する従業員が多いほど支援額も増えますが、給付額は最大50万円までとなります。
申請スケジュール
申請期間は次のとおりです。
| 内容 | 日程 |
|---|---|
| 賃上げ対象期間 | 令和8年4月1日~令和8年12月15日 |
| 申請受付開始 | 令和8年4月20日 |
| 申請受付締切 | 令和8年12月22日 |
なお、予算の上限に達した場合は、申請期間内であっても受付が終了する場合があります。
賃上げを予定している事業者は、必要書類を早めに準備し、余裕をもって申請することをおすすめします。
必要書類
申請時には、事業形態に応じた書類と共通書類を提出します。
法人が提出する書類
- 履歴事項全部証明書
- 法人都民税納税証明書
- 確定申告書
個人事業主が提出する書類
- 個人事業の開業届
- 個人住民税納税証明書
(※豊島区で課税されている場合は提出不要) - 確定申告書
共通で提出する書類
- 対象従業員の労働条件通知書または雇用契約書の写し
- 対象従業員の令和7年分賃金台帳の写し
- 対象従業員の令和8年分賃金台帳の写し(申請月分まで)
- 申請書兼請求書
- 賃上げ率算定表
- 誓約書
申請方法
としま賃上げ促進支援金は、オンライン申請のみとなっています。郵送による申請は受け付けていません。
申請の流れは次のとおりです。
① 要綱・Q&Aを確認する
まずは、豊島区ホームページで公開されている要綱やQ&Aを確認し、自社が対象となるか、必要書類は何かを確認しましょう。
② 必要書類を準備する
法人・個人事業主それぞれに必要な書類のほか、賃金台帳や雇用契約書などの共通書類を準備します。
③ 申請フォームへ入力
オンライン申請フォームへ必要事項を入力し、必要書類を添付して申請します。
④ 審査・支援金の給付
申請内容に問題がなければ審査が行われ、最短で翌月末頃に支援金が振り込まれます。
なお、書類の不備や申請時期によっては、給付までさらに時間を要する場合があります。
申請時の注意点
支援金を申請する際は、次の点に注意しましょう。
基本給以外の賃金は対象外
対象となるのは、基本給または時間給などの基本給単価です。
賞与や各種手当を増額しても、本制度の対象にはなりません。
不自然な賃金調整は禁止
支援金を受けるために、
- 基本給を上げる代わりに各種手当を減額する
- 一時的に賃金を引き上げる
- 支援金受給のみを目的とした賃金操作を行う
といった行為は禁止されています。
虚偽申請は返還の対象
虚偽の申請や不正受給が判明した場合は、
- 支援金の返還
- 加算金・延滞金の支払い
- 事業者名や申請内容等の公表
などの措置が取られる場合があります。
予算上限に達すると受付終了
申請期間は令和8年12月22日までですが、予算上限に達した場合は、期限前でも受付終了となります。
賃上げを予定している場合は、できるだけ早めの申請をおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q1. パート・アルバイトも対象になりますか?
週20時間以上勤務し、雇用保険に加入しており、令和7年11月21日以前から雇用されている場合は対象となります。
Q2. 手当を増やした場合も対象ですか?
いいえ。
対象となるのは基本給または時間給などの基本給単価です。
賞与や各種手当の増額は対象外となります。
Q3. 新しく採用した従業員も対象になりますか?
いいえ。
令和7年11月21日以前から雇用されている従業員が対象です。
Q4. 申請は紙でもできますか?
できません。
本制度はオンライン申請のみとなっており、郵送による申請は受け付けていません。
Q5. 支援金はいつ受け取れますか?
申請内容に問題がなければ、最短で翌月末頃に支援金が給付されます。
ただし、書類不備や申請件数などにより、給付まで時間がかかる場合があります。
この支援金はこんな事業者におすすめ!
としま賃上げ促進支援金は、設備投資や新規事業への補助金とは異なり、「従業員への賃上げ」を支援する制度です。
次のような事業者は、ぜひ活用を検討してみてはいかがでしょうか。
- 従業員の給与を引き上げる予定がある
- 人材採用を強化したい
- 従業員の定着率を高めたい
- 物価高騰を踏まえて賃上げを実施したい
- 豊島区内で事業を営んでいる中小企業・個人事業主
従業員への投資は、企業の成長や働きやすい職場づくりにもつながります。
活用事例
事例① 飲食店
従業員5名の基本給を3%以上引き上げた場合
- 対象従業員:5名
- 支援額:25万円
人材不足が課題となる飲食業では、賃上げによる採用力・定着率の向上を図りながら、支援金も活用できます。
事例② 美容室
スタッフ8名の時給を3%以上引き上げた場合
- 対象従業員:8名
- 支援額:40万円
時給制の従業員も要件を満たせば対象となるため、賃上げに伴う負担を軽減できます。
事例③ 小売業
対象従業員10名の基本給を3%以上引き上げた場合
- 対象従業員:10名
- 支援額:50万円(上限)
従業員数が多い事業者ほど、支援金を有効に活用できます。
まとめ
としま賃上げ促進支援金は、豊島区内の中小企業・個人事業主が従業員の基本給または時間給を3%以上引き上げることで、対象従業員1人につき5万円、最大50万円の支援を受けられる制度です。
設備投資を伴わず、「賃上げ」そのものを支援する制度であるため、人材確保や従業員の定着に取り組む事業者にとって活用しやすい内容となっています。
一方で、対象となる従業員や賃上げの条件、提出書類など細かな要件が定められているため、申請前に制度内容を十分確認することが大切です。また、予算上限に達した場合は申請期限前でも受付が終了するため、早めの準備をおすすめします。
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