「石油由来原料への依存を減らしたい」
「バイオマスや廃プラスチックを活用した新素材を開発したい」
「GX・脱炭素分野で新たな事業を展開したい」
このような企業に向けて、東京都が「ナフサ代替素材等開発支援事業」の公募を開始しました。
本事業は、ナフサ(石油由来原料)の代替となる素材や製品の研究開発を支援する東京都の大型制度です。
令和8年度は最大1億円、最長3年間で最大6億円の支援を受けられる可能性がある一方、採択予定件数はわずか2件程度と非常に競争率の高い制度となっています。
この記事では、
- 制度概要
- 支援内容
- 対象者・応募要件
- 対象経費
- 採択予定件数
- 申請スケジュール
- 審査ポイント
について、実務目線で分かりやすく解説します。
ナフサ代替素材等開発支援事業とは?
本事業は、東京都が実施するGX推進施策の一つであり、ナフサ代替原料を用いた石油由来製品の代替素材や新技術の開発を支援する制度です。
一般的な補助金とは異なり、採択後は東京都と「協定」を締結して事業を進めます。
そのため、資金面の支援だけでなく、
- コンサルティング
- 事業連携先とのマッチング
- 技術・販路開拓支援
など、東京都による伴走型の支援も受けられる点が大きな特徴です。
支援内容
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象地域 | 東京都 |
| 事業期間 | 最長3年間 |
| 令和8年度 | 最大1億円 |
| 令和9年度 | 最大2億円 |
| 令和10年度 | 最大3億円 |
| 支援総額 | 最大6億円 |
| 支払方法 | 年度終了後、実績確認後に協定金を支払い |
また、東京都によるコンサルティングや事業連携支援も実施されます。
対象者
応募対象となるのは、以下の要件を満たす企業等です。
- 東京都内に本店・支店・営業拠点を有する法人
- 都内で石油に依存しない素材・技術開発に取り組む法人
- 新たな技術・素材の開発実績がある
- 機密情報を適切に管理できる体制がある
複数企業による共同申請も可能で、その場合は代表事業者が申請を行います。
応募要件
応募時から事業終了まで、以下の要件をすべて満たす必要があります。
- 同一テーマ・同一経費で他の補助金を受けていない
- 法令違反がない
- 税金の滞納がない
- 公的機関との重大な契約違反がない
- 会社更生法・民事再生法等の対象ではない
- 東京都競争入札参加資格者指名停止期間中ではない
- 暴力団等に該当しない
- 政治・宗教・選挙活動を目的としていない
- 東京都が交付先として不適切と判断する事情がない
共同申請の場合は、構成企業についても同様の要件を満たす必要があります。
対象となる開発
対象となるのは、石油由来ナフサの代替となる原料や素材・製品の研究開発です。
例えば、
ナフサ代替原料
- バイオマス由来原料
- 廃プラスチック由来原料
- その他石油由来に依存しない原料
石油由来製品の代替
- エチレン
- プロピレン
- ポリエチレン
- ポリプロピレン
などの代替素材・製品の研究、開発、改良、実証実験が対象となります。
対象経費
| 経費区分 | 主な内容 |
|---|---|
| 原材料・副資材費 | 試験材料・化学薬品・部品など |
| 外注・委託費 | 試験評価・共同研究・市場調査・専門家指導 |
| 直接人件費 | 研究開発に従事する社員・役員 |
| 不動産賃借料 | 研究施設・開発施設 |
| 設備導入費 | 試験設備・測定装置・サーバー等 |
| 産業財産権出願費 | 特許・実用新案など |
| 展示会等参加費 | 展示会出展・輸送費等 |
| イベント開催費 | 成果発表会等 |
| 広報ツール製作費 | パンフレット・PR動画等 |
| 広報掲載費 | 新聞・Web広告等 |
| 光熱費 | 開発・実証実験専用設備に係る光熱費 |
※対象経費には細かな条件があります。申請前に公募要領を確認しましょう。
採択予定件数
本事業の採択予定件数は2件程度です。
支援額が非常に大きい一方で採択数は限られているため、全国的に見ても競争率の高い制度になることが予想されます。
単に技術力が高いだけではなく、
- 市場性
- 社会的インパクト
- 実施体制
- 開発完了までの実現可能性
まで整理した事業計画が求められます。
申請スケジュール
| 内容 | 日程 |
|---|---|
| 公募開始 | 令和8年7月6日 |
| 質問受付 | 7月27日~7月31日 |
| 質問回答 | 8月6日 |
| 申請受付 | 9月9日~9月17日17時 |
| 審査 | 9月下旬予定 |
| 協定締結 | 9月下旬以降予定 |
電子メールによる申請となります。
採択後はすぐに開発がスタート
事業提案書では、初年度は第3四半期(10~12月)からのスケジュールを前提として計画を作成することとされています。
採択後すぐに研究開発へ着手できる体制や、実証実験・連携先との役割分担などを事前に整理しておくことが重要です。
審査ポイント
東京都では以下の観点から総合的に審査されます。
- ビジョン・独自性
- 開発計画の妥当性
- 実施体制
- 開発推進力
- 市場への波及効果
特に開発推進力では、過去5年以内に新たな技術・素材等の開発実績があるかも評価対象です。
そのため、GX関連の実績資料や過去の研究成果を整理して提出することが、採択へ向けた重要なポイントになります。
提出書類
申請時には以下の書類を提出します。
- 確認書
- 公募申請書
- 事業提案書(15ページ以内)
- 資金計画
- 会社概要
- 履歴事項全部証明書
- 納税証明書
- GX実績資料
- 構成企業一覧(共同申請時)
事業提案書では、事業コンセプト、開発スケジュール、実施体制、期待される効果、事業終了後の社会実装までを見据えた構想を具体的に示すことが求められます。
この制度はこんな企業におすすめ
- バイオマス素材の研究開発を進めている
- 廃プラスチックの再資源化技術を持つ
- 化学・素材メーカー
- 大学・研究機関との共同研究を予定している
- GX・脱炭素分野への本格参入を目指している
まとめ
東京都のナフサ代替素材等開発支援事業は、石油依存からの脱却とGXの推進を目的に、最長3年間・最大6億円規模で研究開発を支援する大型制度です。
一方で、採択予定件数はわずか2件程度であり、技術力だけでなく、市場性や社会実装までを見据えた事業計画が採択の鍵となります。
東京都ナフサ代替素材等開発支援事業
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