近年、少子高齢化に伴い、60歳以上の高年齢労働者が活躍する職場が増えています。一方で、転倒・墜落・腰痛・熱中症など、高年齢労働者特有の労働災害リスクへの対策が企業に求められています。
そんな中、厚生労働省が実施する「令和8年度エイジフレンドリー補助金」では、高年齢労働者が安心して働ける職場づくりを支援するため、設備導入や専門家による指導、熱中症対策などにかかる費用の一部を補助します。
今回は、令和8年度エイジフレンドリー補助金について、対象者や補助内容、対象経費、申請スケジュールをわかりやすく解説します。
この記事でわかること
✅ エイジフレンドリー補助金とは
✅ 最大いくら補助されるのか
✅ 対象となる事業者
✅ 3つのコースの違い
✅ 対象経費
✅ 申請スケジュール
この補助金はこんな事業者におすすめ
✔ 製造業
✔ 建設業
✔ 介護施設
✔ 運送業
✔ 倉庫業
✔ 工場
✔ 高齢従業員が活躍している企業
エイジフレンドリー補助金とは?
エイジフレンドリー補助金とは、高年齢労働者(60歳以上)の労働災害防止や健康保持増進を目的として、設備改善や専門家によるリスクアセスメント、熱中症対策などに必要な経費を補助する制度です。
令和8年度は、以下の3つのコースで募集が行われます。
| コース | 補助率 | 上限額 |
|---|---|---|
| 専門家総合対策コース | 4/5・1/2 | 最大100万円 |
| 熱中症対策コース | 1/2 | 最大100万円 |
| コラボヘルスコース | 3/4 | 最大30万円 |
制度の目的
この補助金は、
- 高年齢労働者の転倒防止
- 墜落・転落災害防止
- 腰痛予防
- 熱中症対策
- 健康保持・増進
など、安全で働きやすい職場づくりを支援することを目的としています。
令和8年度の主な変更点
令和8年度では、従来の設備導入だけではなく、
- 専門家によるリスクアセスメント
- 自社安全衛生担当者によるリスクアセスメント
- 熱中症対策コース
- コラボヘルスコース
など、職場全体の安全衛生対策を支援する制度へと整理されています。リスクアセスメントの結果に基づき設備改善や運動指導等を実施する流れが特徴です。
補助対象者
対象となるのは、次の要件を満たす中小企業事業者です。
- 1年以上事業を実施していること
- 役員を除き、労災保険適用の60歳以上の高年齢労働者が常時1名以上就労していること
※中小企業の範囲は業種ごとに定められています。
対象地域
全国
厚生労働省が実施する補助金のため、全国の対象事業者が申請できます。
補助内容
① 専門家総合対策コース
専門家や自社の安全衛生担当者が実施したリスクアセスメントの結果をもとに、安全対策や運動指導などを行うコースです。
第1段階
労働安全衛生の専門家によるリスクアセスメント
- 補助率:4/5
- 上限額:100万円
第2段階
リスクアセスメント結果を踏まえた
- 労働災害防止設備の導入
- 転倒防止
- 腰痛予防
- 運動指導
- 安全衛生教育
などを支援します。
- 補助率:1/2
- 上限額:100万円
② 熱中症対策コース
高年齢労働者が働く暑熱環境での熱中症対策設備を導入するためのコースです。
補助内容
- 補助率:1/2
- 補助上限:100万円
屋内では気温31℃以上またはWBGT28℃以上となる環境での取組が対象となります。
③ コラボヘルスコース
労働者の健康保持・健康経営を支援するコースです。
補助内容
- 補助率:3/4
- 上限額:30万円
健康診断結果のデータ提供など、健康保持増進の取組に要する経費が対象となります。
対象経費
| コース | 対象経費 |
|---|---|
| 専門家総合対策コース | リスクアセスメント費用、転倒防止設備、段差解消、滑り止め施工、手すり設置、安全設備、運動指導、安全衛生教育など |
| 熱中症対策コース | 熱中症予防のための身体機能を補う装置・装備の導入 |
| コラボヘルスコース | 健康保持増進の取組、健康診断データ提供など |
申請スケジュール
| 内容 | 日程 |
|---|---|
| 公募開始 | 令和8年5月20日 |
| 公募締切 | 令和8年10月31日 |
| 専門家総合対策コース第1段階締切 | 令和8年8月31日 |
※予算額に達した場合は、受付期間中でも募集終了となる場合があります。
おすすめポイント✨
- 最大100万円の補助が受けられる
- 熱中症対策や転倒防止設備の導入に活用できる
- 専門家によるリスクアセスメントも補助対象
- 健康経営や高年齢労働者の安全対策をまとめて進められる
- 全国の中小企業が対象
申請方法
令和8年度エイジフレンドリー補助金は、Jグランツによる電子申請または郵送で申請できます。
なお、郵送の場合は申請締切日の消印有効です。
申請の流れ
STEP1 対象コースを確認
まずは、自社に合ったコースを選択します。
- 専門家総合対策コース
- 熱中症対策コース
- コラボヘルスコース
※同一年度内に複数コースを同時申請することはできません。
STEP2 必要書類を準備
主な提出書類
- 交付申請書
- 誓約書
- 高年齢労働者名簿
- 対象経費内訳書
- 見積書
- 写真
- リスクアセスメント結果(該当コース)
- その他添付資料
コースによって必要書類が異なるため、申請前に募集要領を確認しましょう。
STEP3 交付決定
申請後、審査が行われます。
交付決定通知書が届くまでは、
- 発注
- 契約
- 購入
- 工事着工
を行うことはできません。
交付決定前に着手した場合は補助対象外となります。
STEP4 設備導入・取組実施
交付決定後に
- 設備導入
- 工事
- 運動指導
- リスクアセスメント
- 安全衛生教育
などを実施します。
STEP5 実績報告・補助金請求
事業完了後は、
- 実績報告
- 支払請求
を提出し、審査後に補助金が支払われます。請求書類は現在、郵送での提出となっています。
専門家総合対策コースのポイント
このコースは第1段階・第2段階に分かれています。
第1段階
労働安全衛生の専門家によるリスクアセスメントを実施します。
ここで抽出された危険箇所をもとに、
- 転倒防止
- 腰痛対策
- 段差解消
- 作業改善
などを検討します。
第2段階
リスクアセスメント結果に基づき、
- 設備改善
- 運動指導
- 安全衛生教育
などを実施します。
熱中症対策コースのポイント
対象となるのは、
60歳以上の高年齢労働者が働く暑熱環境です。
さらに、
屋内作業場では
- 気温31℃
- WBGT28℃以上
となる環境で実施する取組が対象となります。
コラボヘルスコースのポイント
健康経営を推進したい企業向けのコースです。
例えば、
- 健康保持増進
- 健康診断結果データ提供
- 保険者との連携
などが対象となります。
審査のポイント
エイジフレンドリー補助金は申請すれば必ず採択される補助金ではありません。
審査では、
- 高年齢労働者の雇用状況
- 対策内容
- 効果
- 実現可能性
などが評価され、効果が期待できる取組が採択されます。
申請時の注意点
次のようなケースは補助対象外となるため注意しましょう。
① 交付決定前に購入した
発注・契約・購入・工事開始を交付決定前に行うと補助対象外です。
② 年度内の複数申請
一企業・一法人につき、年度内1回のみ申請可能です。交付決定後は対象事業場が異なっていても再申請はできません。
③ 高年齢労働者がいない
熱中症対策コースでは、**60歳以上の高年齢労働者が対象事業場にいない場合は申請できません。**また、役員や派遣労働者などは対象となる高年齢労働者に含まれません。
④ 予算終了
予算額に達すると、募集期間中でも受付終了となる場合があります。早めの準備がおすすめです。
よくある質問
Q. 以前補助金を受けました。もう一度申請できますか?
同一年度内の再申請はできません。ただし、不採択となった場合は、内容を見直したり別コースで再申請できる場合があります。
Q. 専門家総合対策コースは第2段階から申請できますか?
はい。令和8年度は、自社の安全衛生担当者等がリスクアセスメントを実施した場合、第1段階を経ずに第2段階から申請することも可能です。
まとめ
令和8年度エイジフレンドリー補助金は、高年齢労働者が安心して働ける職場づくりを支援する制度です。
設備導入だけでなく、専門家によるリスクアセスメントや運動指導、熱中症対策、健康経営の取組まで幅広く補助対象となっています。
特に、交付決定前の発注・契約・購入は補助対象外となるため、スケジュールを確認しながら計画的に申請を進めましょう。
エイジフレンドリー補助金(厚生労働省)
💻公式サイトはこちら
💡補助金情報を探している方へ、このページをシェアお願いします👇
