東京都では、企業健診を活用して女性従業員の健康支援に取り組むモデル企業を募集しています。
令和8年度「女性従業員の健康支援」に係るモデル事業では、女性特有の健康課題などに関する検査を実施し、事前・事後アンケートやヒアリング、事例公表などに協力。
すべての取組を実施したモデル企業には、20万円の協力金が支給されます。
申込受付期間は、
令和8年7月13日(月)10時~7月27日(月)17時まで。
採択上限は20社です。東京都公式ページでは、7月末頃に募集結果を通知する予定とされています。
「女性従業員が安心して働き続けられる職場をつくりたい」
「婦人科検診など、女性向けの健康支援を充実させたい」
「女性の健康支援に取り組みたいけれど、何から始めればいいかわからない」
そんな東京都内の企業は、ぜひ確認しておきたいモデル事業です。
なぜ今、企業による「女性従業員の健康支援」が必要?
近年、女性活躍推進や多様な人材が働き続けられる職場づくりが求められています。
一方、女性はライフステージによって、さまざまな健康課題を抱えることがあります。
本事業では、健康支援の対象となる健康課題等として、
- 月経
- 妊娠・不妊
- 産後の不調
- 更年期
- 婦人科系疾患
などが挙げられています。
こうした健康課題は、女性従業員本人だけの問題とは限りません。
体調不良によって本来の力を発揮しにくくなったり、仕事との両立が難しくなったりすることも考えられます。
企業にとっても、人材の定着や職場環境づくり、従業員が安心して働き続けられる環境を考える上で重要なテーマです。
しかし、企業側では、
「女性の健康支援と言っても、何から始めればいい?」
「企業はどこまで健康課題に関わっていいの?」
「従業員のプライバシーに配慮しながら、どう支援すればいい?」
と悩むこともあるのではないでしょうか。
本事業では、モデル企業の取組を通じて、企業が抱える課題や現在の取組状況、有効な支援方法などを東京都が把握します。
得られた知見はモデル企業の事例として発信され、今後の施策検討にも活用される予定です。
つまり、単に「検査を実施して20万円を受け取る制度」ではありません。
東京都のモデル企業として女性従業員の健康支援に取り組み、その経験を今後の企業支援につなげる事業です。
「女性従業員の健康支援」に係るモデル事業とは?
本事業は、東京都内の中小企業等において、企業健診を活用した女性従業員の健康課題への対応を促進するモデル事業です。
女性が健康を維持し、安心して働き続けられる職場づくりにつなげることを目的としています。
モデル企業は、企業健診を活用した女性の健康課題に関する検査を実施。
さらにアンケートやヒアリング、事例公表などに協力します。
東京都は、こうした取組から企業の課題や現在の取組状況、有効な手法を把握し、モデル事例として発信するとともに、今後の施策検討へ活用します。
協力金は20万円!ただし「検査費用の補助」ではない
モデル企業がすべての取組を実施した場合、20万円の協力金が支給されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 協力金 | 20万円 |
| 支給条件 | すべての取組を実施 |
| 採択上限 | 20社 |
| 取組対象期間 | モデル企業決定後~令和9年1月までを目途 |
ここで注意したいのが、検査費用を20万円まで補助する制度ではないという点です。
本事業で行う検査は、企業等が主体となって医療機関等へ委託して実施します。
そして、検査費用は企業が全額負担します。
女性従業員本人に検査費用を負担させることはできません。
つまり、
検査費用20万円まで補助される
のではなく、
モデル企業として必要な取組をすべて実施すると20万円の協力金が支給される
制度です。
検査内容や受診人数によっては、企業が負担する検査費用が協力金額を上回る可能性もあります。
「20万円もらえるから参加する」というより、女性従業員への健康支援を進めたい企業向けのモデル事業と考えた方がよいでしょう。
モデル企業が行う5つの取組
モデル企業は、令和9年1月までを目途に、次の5つの取組を実施します。
1.事前アンケート調査への回答
女性従業員向け及び企業の人事労務担当者等向けの事前アンケートに回答します。
アンケートは、回答者が直接事務局へ回答する形式です。
2.女性の健康課題に関する検査を実施
企業健診を活用して、女性の健康課題に関する検査を実施します。
法定の企業健診とは別に、希望する女性従業員が任意で受けられる検査であることが必要です。
3.事後アンケート調査への回答
検査等の取組後、女性従業員及び企業の人事労務担当者等が事後アンケートへ回答します。
4.事務局によるヒアリングへの協力
本事業のフォローアップや今後の施策検討などのため、事務局によるヒアリングに協力します。
5.モデル事例の取材・公表に協力
取組内容は、東京都の特設サイト「働く女性のウェルネス向上委員会」にモデル事例として公表される予定です。
事例記事作成のための取材等にも協力します。
これら5つが東京都公式ページで示されたモデル企業の取組内容です。
どんな検査ができる?婦人科検診・骨密度検査など
対象となる検査には、例えば次のようなものがあります。
| 検査例 | 内容 |
|---|---|
| 婦人科検診 | 子宮頸がん検診、乳がん検診 |
| フェリチン検査 | 鉄欠乏状態の把握 |
| 骨密度検査 | 骨の健康状態を確認 |
| 甲状腺ホルモン検査 | 甲状腺機能に関する検査 |
| 超音波検査 | 卵巣・子宮の超音波検査 |
| 妊娠・出産前のヘルスチェック関連検査 | 東京都福祉局の助成対象検査 |
申込書では、事務局が提示する「検査パッケージ」として、
- 婦人科問診・診察
- 子宮頸がん検査
- フェリチン検査
- 骨密度検査
- 甲状腺ホルモン検査
- 卵巣・子宮の超音波検査
が示されています。
検査方法は4つ!すでに取組中の企業も対象になる可能性
企業は、次のいずれかの方法で検査を実施します。
- 事務局が提示する「検査パッケージ」を選択して新たに実施
- 東京都の「妊娠・出産前のヘルスチェック」の助成対象検査の全部または一部を選択
- 企業が検査を選択して新たに実施
- すでに女性の健康課題に関する検査を実施している場合、その検査を継続
「これから女性向け検査を導入する企業」だけが対象ではありません。
すでに女性の健康課題に関する検査を実施している企業も、その検査を継続する方法で参加できる可能性があります。
通常の健康診断だけでは対象外
「会社で毎年、健康診断を実施しているから対象になる?」
と思う方もいるかもしれません。
しかし、労働安全衛生法に基づく一般健康診断のうち、
- 雇入時健康診断
- 定期健康診断
の法定項目は対象外です。
また、市販の検査キット等による検査も対象外となっています。
本事業では、法定の企業健診とは別に、女性の健康課題に対応する検査を実施する必要があります。
対象となる企業は?
本事業では、次の要件をすべて満たす企業等が対象となります。
- 東京都内で事業を営んでいる
- 常用労働者を5名以上雇用している
- 常用労働者のうち1名以上が女性労働者
- 過去5年間に重大な法令違反等がない
- 賃金や労働時間等に関する労働関係法令を遵守している
- 都税の未納がない
- 暴力団及び暴力団関係者等に該当しない
- 企業名及び取組内容等の公表に同意している
- 東京都の事業について情報提供を受けることに同意している
詳細な企業要件は募集要項に定められています。
特に最初に確認したいのが、
常用労働者5名以上、そのうち女性労働者1名以上
という要件です。
検査を受ける女性従業員の人数にも要件あり
検査の対象は、東京都内に勤務する女性従業員です。
原則として、少なくとも次のいずれかを満たす必要があります。
① 常用労働者の女性5名以上が検査を受ける
または、
② 都内に勤務する全常用労働者のうち20%以上にあたる常用労働者の女性が検査を受ける
例えば、都内に勤務する全常用労働者が20名の場合。
20名×20%=4名です。
この場合、原則として女性の常用労働者4名以上が検査を受けることで、人数要件を満たす計算となります。
申込前に、
- 都内勤務の常用労働者数
- 都内勤務の女性常用労働者数
- 検査を受ける予定人数
を確認しておきましょう。
検査は「希望者が任意で受診」!プライバシーにも配慮
本事業で実施する検査は、女性従業員に受診を強制するものではありません。
法定の企業健診とは別に、希望者が任意で受けることができる検査として実施します。
また、
- 検査を受診したか
- 事前・事後アンケートに回答したか
によって、就業上の不利益な取扱いが生じないよう十分な配慮が必要です。
女性従業員のプライバシーにも十分配慮した対応が求められています。
女性の健康課題は非常にセンシティブなテーマです。
「会社が健康状態を把握する」という考え方ではなく、女性従業員が安心して検査や支援を利用できる環境をどのようにつくるかが重要になります。
申込書では「現在の女性健康支援」も確認される
今回の申込書では、会社名や従業員数だけではなく、現在の女性従業員への健康支援状況についても確認されます。
主な記載項目は次のとおりです。
- 都内勤務の女性常用労働者のおおよその年齢分布
- 現在実施している女性の健康課題を支援する制度
- 女性の健康課題に関する研修の実施・計画状況
- 産業医や外部窓口などの相談体制
- 今回の申請理由
- 実施を希望する検査内容
- 検査予定人数
さらに、健康支援制度の例として、
- 時間休
- テレワーク
- 時差出勤
- 治療・通院のための休暇制度
- 生理休暇の名称変更
- 生理休暇の有給化
- 更年期障害や不妊治療のための休暇制度
- 検診・受診費の補助
- 低用量ピル・漢方薬等の補助
- オンライン診療サービス
などが申込書に記載されています。
つまり東京都は、単に「検査を実施できる企業」を確認しているだけではありません。
企業が現在どのような女性健康支援を行っているのか、どのような課題を抱えているのかも確認する申込内容となっています。
「今回の申請理由」は具体的に整理しておこう
申込書には、
「自社の女性従業員への健康支援が必要であると考えた背景」
を記載する欄があります。
例えば、
「女性従業員の割合が高い一方、女性特有の健康課題に対応する制度を設けていない」
「健康診断は実施しているが、女性特有の健康課題を把握するための検査は導入していない」
「女性従業員が長く働き続けられる職場環境を整備したい」
など、自社の現状→課題→なぜ今回取り組みたいのかを整理しておくとよいでしょう。
本事業は先着順ではありません。
要件の適否や実現性などを確認し、事業の目的・趣旨を踏まえて総合的に評価した上で採択企業が決定されます。
そのため、
「20万円の協力金があるから応募したい」ではなく、自社でなぜ女性従業員への健康支援が必要なのか
を具体的に整理することが重要と考えられます。
申込期間・スケジュール
| 項目 | スケジュール |
|---|---|
| 申込受付開始 | 令和8年7月13日(月)10時 |
| 申込締切 | 令和8年7月27日(月)17時 |
| 募集結果通知 | 7月末頃予定 |
| 取組対象期間 | モデル企業決定後~令和9年1月までを目途 |
| 採択上限 | 20社 |
募集要項4ページの想定スケジュールでは、企業決定後、オンライン説明会や事前アンケートを経て検査を実施し、事後アンケート、ヒアリング、取材等を並行して進める流れが示されています。
検査を1回実施して終了する事業ではなく、モデル企業決定後から令和9年1月頃まで継続して取り組む事業です。
申込方法
申込みには、所定の申込書が必要です。
申込書へ必要事項を記入し、申込受付期間内に東京都の事業ページにある申込フォームへ添付して提出します。
申込みは、実際に取組を行う企業等の担当者が行います。
また、1企業等及び1代表者につき申込みは1回までです。
企業等の代表者が複数企業の代表者を務めている場合は、そのうち1企業等を選択して申し込む必要があります。
申込時には、連絡可能な電話番号とメールアドレスを登録し、事務局からのメールを受信できるよう設定しておきましょう。
採択上限20社!先着順ではない
本事業の採択上限は20社です。
ただし、先着順ではありません。
要件の適否や取組の実現性などを確認し、本事業の目的・趣旨を踏まえて総合的に評価した上で採択企業が決定されます。
なお、採択後に辞退等が生じた場合は、採択上限数の範囲内で追加採択が行われる場合があります。
「フェムテック導入による職場環境の整備等奨励金」との併給に注意
すでに東京都の女性健康支援に関する制度を活用している企業は注意が必要です。
本事業で実施する検査が、「フェムテック導入による職場環境の整備等奨励金」の奨励事業によって整備した制度と同一と判断された場合、併給は認められません。
該当する可能性がある企業は、申込前に確認しましょう。
こんな企業におすすめ
本事業は、例えば次のような企業におすすめです。
- 女性従業員が安心して長く働ける職場をつくりたい
- 婦人科検診や女性向けの健康検査を充実させたい
- 月経・妊娠・不妊・産後の不調・更年期などの健康課題への支援を検討している
- 女性従業員への健康支援制度をこれから整えたい
- 女性活躍推進や健康経営につながる取組を進めたい
特に、
「女性向けの健康支援を始めたいけれど、何から取り組めばいいかわからない」
という企業にとって、自社の現在の支援制度や課題を見直す機会にもなりそうです。
まとめ|女性の健康支援は「福利厚生」だけではなく職場づくりのテーマに
令和8年度「女性従業員の健康支援」に係るモデル事業では、企業健診を活用して女性従業員の健康支援に取り組むモデル企業を募集しています。
モデル企業は、
- 事前アンケート
- 女性の健康課題に関する検査
- 事後アンケート
- 事務局によるヒアリング
- モデル事例の取材・公表
などの取組を実施します。
すべての取組を実施した場合、20万円の協力金が支給されます。
申込締切は、令和8年7月27日(月)17時まで。
採択上限は20社です。
女性従業員の健康支援は、単に検査項目を増やすだけではありません。
女性が健康課題を抱えたときにも安心して働き続けられる環境をどうつくるのか。
人材の定着や職場環境づくりを考える上でも、企業にとって重要なテーマの一つです。
自社で活用できる制度があるか知りたい方は、お気軽にご相談ください。
🔗東京都「女性従業員の健康支援」に係るモデル事業 公式ページ
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