中小企業省力化投資補助金(一般型)第5回公募に挑む皆さまへ。
本公募から、審査のフェーズは明確に一段階上がりました。
もはや問われているのは、
「どんな設備を導入するか」ではなく、「その投資で経営がどう変わるか」です。
公開されている 「事業計画書(指定様式)」 は、単なる記入用紙ではありません。
これは、審査員が事業をどう読み、どう評価するかという“思考の型”を可視化した設計図です。
本記事では、この指定様式を軸に、
第5回公募で採択される事業計画書の組み立て方を、最新資料に基づいて解説します。
❓ なぜ「設備説明」だけでは即不採択なのか
事業計画書の【指定様式】を一度、冷静に見てみてください。
実は、設備の性能スペックを長々と書く欄はほとんどありません。
審査員が見ているのは、設備そのものではなく、次の2点です。
- その設備は、どの経営課題を解決するのか
- 省力化が、会社全体の生産性・付加価値向上につながっているか
📌 省力化=経営改善のエンジンとして機能しているかどうか。
ここを外して「最新設備だから」「高性能だから」と書いても、
経営改善のストーリーが見えず、評価は伸びません。
🔍 1. 現状分析・経営課題|自社の「ボトルネック」を解剖する
指定様式の冒頭で問われる現状分析は、決して形式的な項目ではありません。
審査員はここで、次の一点を厳しく見ています。
👉 「この経営者は、自社の成長を止めている“詰まり”を理解しているか」
✔ 見られているポイント
- 業務を「点」ではなく「流れ」で捉えているか
- 人手不足が、どの工程・どの作業で発生しているか
- C業務(低付加価値な定型業務)に人が縛り付けられていないか
SWOT分析などのフレームワークは、
きれいに書くためのものではなく、投資の必然性を説明する材料です。
🎯 2. 省力化投資の動機|因果関係を「一本の線」にできているか
指定様式で最も重要なのが、
「なぜこの投資が必要なのか」という動機です。
❌ NG例
人が足りない。だからロボットを入れて楽にしたい。
✅ 採択に近づく例
現在、〇〇工程に全リソースの50%が集中しており、ここがボトルネックになっている。
本補助金で〇〇設備を導入し当該工程を自動化することで、
浮いた人員を A業務(新規顧客開拓・高付加価値業務) に再配置し、売上を〇%向上させる。
📌 「課題 → 投資 → 再配置 → 収益向上」
この因果関係が一本で通っているかが、採択の分かれ目です。
🛠 3. 一般型の最大の分岐点|Q&A No.2をどう攻略するか
第5回公募で最も注目すべきポイントが、
カタログ注文型との差別化です。
最新の Q&A No.2 では、
カタログ掲載製品であっても、次のような場合は
一般型として評価されると明示されています。
🔑 一般型で評価されるポイント
- 周辺機器の独自設計
- 複数設備の組み合わせ
- 工程全体を見据えたシステム化
つまり問われているのは、
「なぜ標準品をそのまま置くのではダメなのか」
という自社固有の必然性です。
ここを論理的に説明できるかが、
一般型最大の攻めどころになります。
🔄 4. 可視化の重要性|ビフォーアフターは「図解」で示す
指定様式では、次の点を具体的に可視化することが求められています。
- 業務プロセス
- 人員配置
- レイアウト変更
📌 ポイントは、
第三者である審査員が一瞬で理解できるか。
「省力化したつもり」を
「省力化の証明」に変えるために、
図解・配置図・フロー図は積極的に活用しましょう。
📊 5. 数値計画|数字は「ストーリーの結果」である
指定様式には、要旨として次の趣旨の注意書きがあります。
導入する取り組みの結果、別添指定様式事業計画書(その3)の将来の各数値の推移につながっていきますので、両者の関係の整合性がわかるよう記載という趣旨の注意書きがあります。
つまり、
- 付加価値額の増加
- 賃上げ目標
- 労働生産性(年平均4%向上)
これらはすべて 「結果」 です。
🧠 審査員が見ているのは、
- なぜその人員構成で回るのか
- その利益はどこから生まれるのか
- 👉 文章とExcelが整合しているか
ここが、事業計画の信憑性を決定づけます。
👥 6. 実施体制・リスク管理|代表者1名でも「覚悟」を見せる
最終的に判断されるのは、
「この計画は本当に実行できるか」です。
✔ 実効性のチェックポイント
- 誰が運用し、トラブル時は誰が対応するのか
- 研修動画の受講など、最新ルールを反映しているか
- 賃金引き上げ計画の表明(代表者のみでも必須)を理解しているか
- 補助金が後払いであることを踏まえた資金調達計画か
✅ まとめ|指定様式は「採択へのカンニングペーパー」
第5回公募における指定様式は、単なる書式ではありません。
それは、審査員が「どの順番で」「何を考えながら」評価しているかを示した、
いわば 採択へのカンニングペーパー です。
押さえるべき構造
1️⃣ 現状を俯瞰し、ボトルネックを特定する
2️⃣ 一般型としてのカスタマイズ必然性を示す
3️⃣ 浮いたリソースを高付加価値業務へ再配置する
4️⃣ 文章と数値を完全に連動させ、実行力を証明する
この構造を守り、
自社の熱量をロジカルに落とし込んだ計画書こそが、
第5回公募で採択を勝ち取る最強の武器になります。
第5回 中小企業省力化投資補助金(一般型)
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