1. 中小企業と知的財産権:なぜ今、出願が重要か?
中小企業が競争力を維持・強化するためには、「知的財産権」の取得が極めて重要です。製品や技術、サービスのアイデアは、模倣や不正利用から守らなければなりません。
しかし、特許や商標などの出願には、「出願料」「審査請求料」「登録料」などのコストがかかり、さらに弁理士へ依頼した際の報酬も必要です。これらの費用を自己負担で賄うことは、多くの中小企業にとって大きなハードルです。
そこで江東区では、知財取得の経費を支援する補助制度を用意し、企業の知的資産活用を積極的に後押ししています。
2. 江東区「知的財産権取得費補助金」とは
江東区が提供する「知的財産権取得費補助金」は、区内の中小企業が取得する特許、実用新案、意匠、商標といった知的財産権に関わる出願費用の一部を補助する制度です。
■ この制度の目的
- 中小企業の新製品・新技術開発の支援
- 技術力の高度化と競争力の強化
- 区内産業の活性化
さらに国外出願についても、国内制度に準じて取り扱い可であるため、グローバル展開を目指す企業にも対応しています。
3. 対象となる出願内容と補助対象者の条件
■ 対象となる出願内容
以下のいずれかに該当する知的財産権の出願が補助対象です。
- 自社の社名または屋号(例:美容室の店名など)
- 自社で開発した製品・技術・サービス(例:独自メニュー、ツールなど)
✅【具体例】補助対象となる出願内容
- 例1(社名・屋号): 江東区で「ヘアサロンLuana」という屋号で美容室を経営しているD社が、店舗の看板や広告で使用している「Luana」というサービス名(屋号)そのものを商標登録し、ブランドとしての名称を法的に保護しようとしたケース。
- 例2(製品・技術): 地元の建材メーカーE社が、自社開発の軽量コンクリートパネルについて特許出願
- 例3(サービス・アプリ): ベンチャー企業F社が開発した健康管理アプリのユーザーインターフェースについて意匠登録を出願
※商標登録は「看板そのもの」ではなく、「看板で宣伝している商品やサービス名(=屋号やブランド名など)」に対して行います。
■ 補助対象となる中小企業の条件
申請できるのは、以下すべての条件を満たす事業者です
- 中小企業基本法に定められた中小企業者
- 江東区内に本店(または主たる事業所)を有している
- 区内で1年以上継続して事業を営んでいる
- 前年度の法人住民税・法人事業税(個人は住民税・個人事業税)に滞納がない
- 会社法に定める子会社ではないこと(親会社が区内にある場合を除く)
- 他の類似補助制度との併用不可
4. 補助対象経費と金額の詳細
■ 補助対象となる経費
出願に必要な以下の実費が対象です
- 出願料
- 出願審査請求料
- 特許料・登録料(意匠・商標含む)
- 電子化手数料
- 弁理士報酬(出願関連)
※これらはすでに支払済みであることが条件です。
■ 補助金額の上限
- 特許権取得の場合:最大30万円まで
- 意匠・実用新案・商標など:最大10万円まで
補助率は対象経費の2分の1以内。1,000円未満は切り捨てです。
5. 申請時の注意点と活用のポイント
■ 申請方法・期限
申請は「出願日の翌日から1年以内」に行う必要があります。
■ 必要書類
- 補助金交付申請書
- 事業報告書
- 履歴事項全部証明書 or 住民票(個人)
- 開業届控え or 青色申告控え(個人)
- 前年度の納税証明書
- 出願書類と受理通知
- 経費明細書および支払いを証明する書類
審査により交付決定通知書が届いた後、請求書を提出して補助金が支払われます。
■ 制度利用時の注意点
- 同一年度で1件まで申請可能
- 同一の対象物に関しては1回限りの補助(年度に関係なく)
- 他の補助制度との併用不可
これらの制限により、制度の公正性と財源の適正配分が保たれています。
✅まとめ|今こそ知財取得に一歩踏み出そう
江東区の「知的財産権取得費補助金」は、地域の中小企業や個人事業主が、自社のアイデア・ブランド・技術を守り、成長を支えるための非常に実用的な制度です。
特許で最大30万円、商標などでも10万円まで補助が受けられるため、知財取得にかかる負担を大幅に軽減できます。
特に美容室のように「店名=ブランド価値」となる業種では、商標登録は信頼と差別化のカギです。
出願費用がネックで迷っていた方は、ぜひこの補助制度を活用して「名前・技術・サービス」を守りましょう。
公式ページ👉 令和7年度「江東区_知的財産権取得費補助」ページ
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