【最新版】ものづくり補助金19次 採択結果を徹底解説|採択率・分野別傾向・次回対策まで


1. ものづくり補助金とは?制度の概要と19次の特徴

中小企業の設備投資やサービス革新を支援する「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(通称:ものづくり補助金)」は、日本の産業競争力を高めるために継続実施されている主要補助金制度です。

2024年2月から4月にかけて公募された「第19次締切」では、国の重点政策に沿った申請構成が求められ、採択率も過去より厳しいものとなりました。

19次公募の主な特徴

  • 加点項目(賃上げ・計画認定など)の厳格化
  • 政策テーマとの整合性(GX=グリーントランスフォーメーション:環境配慮型社会への転換、DX:デジタル技術活用)の重視
  • 支援機関による申請支援の影響が増大
  • 公募枠の多様化(高付加価値化枠・グローバル枠)

2. 最新採択結果と採択率(公式発表)

2025年7月25日に発表された第19次の採択結果は以下のとおりです。

区分申請件数採択件数採択率
高付加価値化枠5,025件1,623件約32.3%
グローバル展開枠311件75件約24.1%
合計5,336件1,698件約31.8% ✅
区分申請件数採択件数採択率
高付加価値化枠5,025件1,623件約32.3%
グローバル展開枠311件75件約24.1%
合計5,336件1,698件約31.8% ✅

18次公募では、申請者数が5,777件だったのに対して採択者数は2,070件、採択率は35.8%でした。
近年の採択率と比較しても低く、厳しい審査が行われたことが伺えます。

特に、18次は「2024年度最後の公募」と事前に告知されていたため、申請が集中。申請件数が5,000件を超えたことが、35.8%というやや低めの採択率につながったと考えられます。


3. 採択分野の傾向と件数分布(目視分類)

採択者リストをキーワードと事業内容で分類したところ、以下のような分野に多くの採択が集中していました。

分野採択件数(概算)備考
AI/DX関連約320件AI分析、業務DX、SaaS(サース:クラウド型ソフトウェア提供)開発など
省人化・自動化約290件無人化、生産ライン自動化、IoT制御など
製造業の高付加価値化約240件新製品開発、特許技術、付加価値向上
ドローン・測量関連約70件建設測量、3Dスキャン、空撮業務など
食品製造の高付加価値化約130件冷凍惣菜、衛生工程、地域食品ブランド
歯科・獣医関連約90件CT導入、動物検査機器、医院デジタル化
環境・リサイクル関連約60件廃棄物処理装置、省エネ設備更新など
プラットフォーム型サービス約50件業界マッチング、SaaS基盤、地域連携システム等

✅ 備考・注意点

  • 上記の分野別採択件数は、公式PDF「採択者リスト_19次締切.pdf」(全1,698件)をもとにした
    目視およびキーワード検索による分類概算です。
  • 「事業名」「事業概要」欄からの読み取りに基づいており、
    件数の重複や境界分野の曖昧さを含む可能性があります。
  • あくまで参考値としての目安としてご理解ください。

4. AI/SaaS・プラットフォーム型は東京都に集中

AI・SaaS(サース:Software as a Service=クラウド型のソフトウェア提供)型事業やプラットフォームサービス構築系の申請は、東京都の企業に顕著に集中していました。

これは、

  • 都市部におけるスタートアップやIT企業の集中
  • 技術リソースや開発人材の偏在
  • 国策との親和性(GX=グリーントランスフォーメーション、DX)

などが主因と考えられます。

申請内容では、「○○業界専用のSaaS」「AIによる業務最適化」「プラットフォーム型連携基盤」のような構想が多く、夢がある半面、実現性や収益モデルの不明瞭さが指摘される例もありました。


5. 採択・不採択を分けるポイント

採択された事業の共通点

  • 課題設定と導入設備が直結しており、計画全体に一貫性がある
  • 効果が定量的に記載(売上、利益、CO2削減など)されている
  • 政策キーワードと整合性がある(例:脱炭素、地域経済波及)
  • 加点項目を網羅的に取得(賃上げ、継続力、経営革新)

不採択の主なパターン

  • ストーリーが弱い、数値根拠が薄い
  • 他社の事例の「模倣」に留まっている
  • 申請書の構成が雑、支援機関任せで独自性に乏しい
  • 課題と設備がつながっていない

6. 次回(第21次)に向けた戦略と準備

最新スケジュール(第21次)

区分公募開始日申請開始日申請締切日
21次締切令和7年7月25日(金)令和7年10月3日(金)17時令和7年10月24日(金)17時

今すぐできる準備ポイント

  • 設備と成果の関係性を数値で可視化
  • 加点項目(特に賃上げ計画)の取得
  • 事業計画の仮組みと専門家によるレビュー
  • 過去採択事例との差別化
  • ✅ 「一般事業主行動計画(両立支援のひろば)」の掲載準備
     → 掲載には1~2週間程度かかるため、該当事業者は早めの策定・公表を推奨します。
      策定後は、可能な限り労働局への届出も行いましょう。

🧾 まとめ

ものづくり補助金第19次は、採択率31.8%と厳しい結果でしたが、「AI・DX」「省力化」「製造業の高度化」などの分野が多数を占めました。
特に、東京都に集中するAI/SaaS/プラットフォーム型事業は、今後も注目されるテーマです。

次回の申請では、政策との整合性・成果の数値化・加点戦略の徹底が採択への近道です。
単なる資金調達ではなく、「成長戦略の実行」として補助金を使いこなしましょう。

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