はじめに:採用難時代に必要なのは「採用」より「育成」
人材不足が続くなか、経営者にとって最大の課題は「どうやって優秀な人材を確保し、定着させるか」です。
その解決策のひとつが、国の 「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業費補助金(六次公募)」 です。
ただし、経営者の多くはこう感じています。
「せっかくスキルを身につけてもらっても、転職されたら困る…」
この記事では、この不安に正面から向き合い、補助金の仕組みを活かして 社員が“残りたいと思える会社”をつくる方法 を解説します。
補助金の概要と六次公募の変更点
制度の流れ
- キャリア相談
- リスキリング講座提供
- 転職支援(雇用主変更を伴うケースが対象)
- フォローアップ(就業継続や賃金上昇の確認)
六次公募の主な変更点
経費区分 | 五次公募以前 | 六次公募 |
---|---|---|
人件費(キャリア相談等) | 1/2以内 | 1/3以内 |
外部専門家謝金 | 1/2以内 | 1/3以内 |
広告費・システム構築費 | 7/10以内 | 1/2以内 |
リスキリング経費(講座費用) | 定額(講座費用の1/2、上限40万円/人) | 変更なし |
👉 補助率は下がりましたが、講座費用については引き続き強力な支援が維持されています。
法人が活用するメリット
✅ 1. 教育・支援コストを国が補助(補助対象経費の詳細)
国の補助により、人材育成にかかるコストを大幅に削減できます。
- リスキリング経費(講座費用)
個人が受講する講座費用(税抜)の 1/2を、1人あたり最大40万円まで定額で補助。 - 人件費・専門家謝金
キャリア相談や転職支援にかかる社員の人件費、外部専門家の謝金も対象。
例:2025年3月31日までの採択では、支援開始人数1人あたり上限10万円。 - 広告費・システム構築費
事業周知のための広告や、受講者管理システム構築も対象。
👉 補助率は2025年4月以降一部引き下げ。早めの活用が有利になる可能性があります。
✅ 2. 即戦力人材を社内から育成
外部採用に頼らず、自社社員をDX推進や新規事業担当に。
✅ 3. 定着率と企業ブランドの向上
「学べる会社」は社員に選ばれ、外部からも「人材を大切にする会社」として評価されます。
転職を恐れるより「残りたい会社」をつくる方が得策
社員の成功が企業の利益に変わる「追加補助」とは?
この制度の大きな特徴は、社員がキャリアアップに成功すると、企業に 追加の補助金(成果報酬) が支払われる点です。
追加補助の条件
- 人件費・謝金:支援した社員が転職後1年間継続就業+賃金上昇 → 費用の1/5を追加補助
- リスキリング経費:転職後1年間継続就業 → 講座費用の1/5(最大16万円)を追加補助
▼計算例
講座費用30万円 → 基本補助15万円+追加補助6万円 = 合計21万円の補助
👉 社員のキャリア成功が、企業のキャッシュフロー改善に直結する仕組みです。
社員が「残りたい」と思う具体策
- リスキリング後に 新規プロジェクトへ登用
- スキル手当や資格手当 で給与に反映
- 社内公募制度 で成長の場を提供
これらを整えることで、転職より「残留」の方が魅力的な選択肢になります。
成功事例(ケーススタディ)
A社(製造業・従業員120名)の事例
- DX化対応のため、10名をデータ分析講座へ派遣
- 修了者のうち5名を工場IoT化プロジェクトに登用
- 残りの社員も業務改善提案を積極化
- 離職率が前年比で20%低下、採用コストも削減
👉 「社員が辞めるリスク」より「育てなかったリスク」の方が大きいことを実証した事例です。
経営者のためのQ&A
Q. 転職支援制度ですよね?残留したら補助は受けられませんか?
A. 転職を目指す個人が対象ですが、キャリア相談やリスキリング提供に要した経費は補助対象です。
Q. 転職先企業から紹介手数料を受け取ってもいいですか?
A. はい、可能です。補助金と併用して受領できます。
Q. 「賃金上昇」は社内昇給でもいいのですか?
A. はい。転職による昇給だけでなく、現職での昇給・昇格も対象です。
補足:社員や個人にとっても知っておきたい制度
本記事は主に「経営者の視点」で解説してきましたが、もしあなたが社員や個人の立場であっても、この補助金を知っておくことは大きな意味があります。
リスキリングやキャリア相談は 自分の将来を主体的に選ぶチャンス です。
「会社にこんな制度があると助かる」と提案したり、転職や副業を含めたキャリア設計の参考にできます。
つまり、この制度は 経営者にとっては人材育成の武器であり、社員にとってはキャリアの可能性を広げる鍵なのです。
まとめ:社員が「残りたい」と思える会社が勝つ
経営者にとっての本当のリスクは、
「育てて辞められること」ではなく「育てないまま辞められること」です。
社員の成長に投資し、キャリアアップの機会を与えることで、
結果的に「転職」ではなく「残留」を選ぶ社員が増え、企業も成長できます。
転職を恐れるより、学んだ社員が残りたいと思える組織をつくる方が得策
この補助金を活用するための「最初の一歩」
- 公式サイトで採択事業者を探す
- 自社の課題を整理する
- 補助事業者に相談する
▼公式サイトはこちら
👉 経済産業省 リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業
https://careerup.reskilling.go.jp/
出典について
※本記事は、経済産業省が公開している「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」の交付要綱、実施要領、補助事業事務処理マニュアル等の公式資料に基づき作成しています。
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